FIXED関数 – 数値を指定した桁数で文字列として表示する関数
1. 使い方と活用例
FIXED関数は、数値を指定した小数点以下の桁数に丸めたうえで、数値を文字列として表示するための関数です。
通貨表示やレポート用の整形された数値出力に活用されます。
2. 基本の書式
=FIXED(number, [decimals], [no_commas])
3. 引数の説明
- number – 丸める対象となる数値を指定します。
- decimals(省略可能)– 小数点以下の桁数を指定します。省略した場合は2になります。
- no_commas(省略可能)– 桁区切りのカンマを表示するかどうかを指定します。TRUEにするとカンマなし、FALSEまたは省略するとカンマありとなります。
4. 使用シーン
- 金額を2桁の小数で統一して表示したいとき
- 出力結果をテキスト形式で扱いたいとき
- 桁区切りの有無を制御して整った帳票を作成したいとき
5. 応用のポイント
FIXED関数は数値を文字列として返すため、計算用途には不向きです。
他のセルで再計算する必要がある場合は、ROUND関数やTEXT関数との使い分けを検討してください。
また、no_commas引数をTRUEに設定すれば、数字の整形は保ちつつ、印刷やエクスポート用にカンマを除去できます。
6. 具体例とその解説
=FIXED(12345.6789, 2, FALSE)
この式では、数値「12345.6789」を小数点以下2桁に丸め、「12,345.68」という文字列として返します。
カンマ区切りが有効なので「12,345」のように表示されます。
=FIXED(12345.6789, 0, TRUE)
この式では、小数点以下なしで「12346」と丸め、カンマ区切りも無効にした状態で文字列を返します。
7. 関連関数の紹介
8. まとめ
FIXED関数は、数値を見やすい形式で文字列化するために便利な関数です。
特に帳票作成やレポート整形など、見た目を重視する場面で力を発揮します。
ただし、返されるのは文字列であるため、数値としての計算には使用しないよう注意が必要です。
9. 対応バージョン
FIXED関数は、Excelのすべてのバージョンで利用可能です。
古いバージョンでも問題なく動作します。