EXPAND関数 – 配列のサイズを指定した行数・列数に拡張する関数
1. 使い方と活用例
EXPAND関数は、指定した配列を任意のサイズ(行数・列数)に拡張して返す関数です。
元の配列が小さい場合には、空白セルで補完され、表のフォーマット調整や動的配列操作に便利です。
2. 基本の書式
=EXPAND(配列, [行数], [列数], [デフォルト値])
3. 引数の説明
- 配列 – 拡張元となるセル範囲または配列を指定します。
- 行数 – 拡張後の行数を指定します(省略可)。
- 列数 – 拡張後の列数を指定します(省略可)。
- デフォルト値 – 拡張された部分に挿入する値(省略時は空白)を指定します。
4. 使用シーン
- 不足している行・列を補って固定サイズの表を作成したい場合
- スピル結果を一定サイズに揃えてレイアウトを整えたい場合
- 不足部分に任意の値を挿入してレポート用表を生成したい場合
5. 応用のポイント
EXPAND関数は、動的配列を拡張して特定のサイズにフィットさせるため、配列の長さが可変であっても見た目や計算の安定性を保つことができます。
不足部分に「0」や「N/A」などを挿入することで、レポートの見やすさや分析処理の安定性も向上します。
6. 具体例とその解説
=EXPAND(A1:B2, 4, 3)
この式では、範囲A1:B2(2行×2列)を、4行×3列に拡張します。
元の範囲外のセルには空白が表示されます。
=EXPAND(A1:B2, 4, 3, 0)
この式では、不足している部分に 0 を埋めて4行×3列の配列を返します。
レポートや集計表において、明示的に値を表示したい場合に便利です。
7. 関連関数の紹介
- VSTACK関数 – 配列を縦に連結する関数
- HSTACK関数 – 配列を横に連結する関数
- WRAPROWS関数 – 配列を指定列数ごとに折り返して表示する関数
- TOROW関数 – 配列を1行に変換する関数
8. まとめ
EXPAND関数は、配列や表のサイズを制御しやすくする強力な関数です。
不足部分を補完することで、配列処理の柔軟性が大きく向上し、さまざまな表計算やレイアウト調整に活用できます。
VSTACKやWRAPROWSなどと組み合わせれば、より高度な表現が可能になります。
9. 対応バージョン
EXPAND関数は、Microsoft 365(Excel for Microsoft 365)およびExcel 2021以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは使用できません。