DURATION関数 – 定期的に利子が支払われる証券の年間のマコーレー・デュレーションを返す関数
1. 使い方と活用例
DURATION関数は、定期的に利子が支払われる債券について、年間のマコーレー・デュレーション(将来のキャッシュフローの加重平均期間)を計算する関数です。
マコーレー・デュレーションは、債券価格の金利変動に対する感応度や、元本の平均回収期間を測る際に活用されます。
2. 基本の書式
=DURATION(満期日, 発行日, 利率, 利回り, 期間, [基準])
3. 引数の説明
- 満期日 – 債券の償還日を指定します。
- 発行日 – 債券の発行日または購入日を指定します。
- 利率 – 債券の年利率(クーポン利率)を小数で指定します(例:8% は 0.08)。
- 利回り – 債券の年利回り(市場利回り)を小数で指定します。
- 期間 – 年間の利払い回数を指定します(1=年1回、2=半年ごと、4=四半期ごとなど)。
- 基準(省略可能) – 日数計算方法を以下から選択します。
- 0 – 米国 (NASD) 方式 (30/360日)
- 1 – 実際/実際
- 2 – 実際/360日
- 3 – 実際/365日
- 4 – ヨーロッパ 30/360日
4. 使用シーン
- 債券ポートフォリオの金利感応度(マコーレー・デュレーション)を分析したいとき
- 利率と利回りをもとに、将来の資金回収までの平均年数を把握したいとき
5. 応用のポイント
DURATION関数は、利子付き債券のキャッシュフローとその割引現在価値をもとに、マコーレー・デュレーションを算出します。
このデュレーション値が大きいほど、債券価格は金利の変化に対して敏感になります。
また、MDURATION関数を使えば、金利変動に対する価格変動率(修正デュレーション)を求めることができます。
6. 具体例とその解説
=DURATION(DATE(2030,12,31), DATE(2025,1,1), 0.08, 0.09, 2, 0)
この式は、2025年1月1日に購入し、2030年12月31日に満期を迎える、年利8%・半年ごと利払いの債券について、利回り9%をもとにマコーレー・デュレーションを計算します。
日数基準は「0」(米国方式)です。結果は約5.38で、これは約5.38年後に元本を平均的に回収できることを示します。
7. 関連関数の紹介
- MDURATION関数 – 修正デュレーションを求める関数(マコーレー・デュレーションを利回りで調整)
- YIELD関数 – 債券の年間利回りを計算する関数
- PRICE関数 – 債券の理論価格を計算する関数
- COUPDAYS関数 – 利払い期間の日数を求める関数
8. まとめ
DURATION関数は、債券の利率・利回り・満期日・発行日をもとに、金利リスクを定量的に把握するためのマコーレー・デュレーションを計算します。
金利変動に敏感な資産のリスク管理や、投資戦略の構築に欠かせない分析ツールです。
9. 対応バージョン
DURATION関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。