DSTDEV関数 – 条件に一致するサンプル（標本）の標準偏差を求める関数
1. 使い方と活用例
DSTDEV関数は、指定したデータベースの中から条件に一致するレコードを抽出し、標本（サンプル）としての標準偏差を求める関数です。
統計的にデータの一部を対象とした分析を行いたい場合に使用され、データのばらつき具合を把握する際に有効です。
2. 基本の書式
=DSTDEV(データベース, フィールド, 条件)3. 引数の説明
- データベース – 集計対象となるデータの範囲。1行目に列見出しを含める必要があります。
- フィールド – 標準偏差を求めたい列を列見出し名または列番号で指定します。
- 条件 – 条件を設定する範囲。1行目に列見出しを含め、複数条件にも対応可能です。
4. 使用シーン
- 特定部署やグループの年齢・売上などのばらつきを、サンプルデータとして統計分析したいとき
- アンケートやテスト結果など、部分的なデータに基づいて標準偏差を求めたいとき
5. 応用のポイント
DSTDEV関数は、データを標本（サンプル）として扱うため、分母はn-1になります。
データ全体を母集団として扱いたい場合は、DSTDEVP関数を使用してください。
条件範囲は複数列を使ってAND条件やOR条件を柔軟に設定可能です。
6. 具体例とその解説
以下のようなデータベースがあるとします。
A列 B列 C列
"氏名" "部署" "年齢"
"佐藤" "営業" 30
"鈴木" "営業" 28
"田中" "営業" 34
"高橋" "総務" 25
条件範囲を以下のように設定します。
E列
"部署"
"営業"
以下の式を使用します。
=DSTDEV(A1:C5, "年齢", E1:E2)
この式では、「営業」部門の年齢（30, 28, 34）をサンプルとみなし、その標準偏差を求めます。
平均は30.67、偏差の二乗和は約34.22、分母は 3 – 1 = 2 なので分散は17.11、√17.11 ≒ 4.14 が結果になります。
7. 関連関数の紹介
- DSTDEVP関数 – 母集団を対象とした標準偏差を求める関数
- DVAR関数 – サンプルの分散を求める関数
- DVARP関数 – 母集団の分散を求める関数
- STDEV.S関数 – 条件なしで標本の標準偏差を求める関数
8. まとめ
DSTDEV関数は、データベース形式の表から、条件に一致するデータをサンプルとして扱い、その標準偏差を求めたい場合に便利です。
アンケートやサンプル調査など、統計的分析の基礎として活用できます。
9. 対応バージョン
DSTDEV関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。