DMIN関数 – 条件に一致するデータの最小値を取得する関数
1. 使い方と活用例
DMIN関数は、指定したデータベースの中から条件に一致するレコードを抽出し、指定列の最小値を返す関数です。
複数の条件を指定して、最も小さい数値データを条件付きで取得したいときに便利です。
2. 基本の書式
=DMIN(データベース, フィールド, 条件)
3. 引数の説明
- データベース – データ一覧の範囲。1行目に列の見出しを含めます。
- フィールド – 最小値を取得したい列を、列名または列番号で指定します。
- 条件 – レコードを抽出するための条件範囲。1行目に列見出しが必要です。
4. 使用シーン
- 特定の部署や地域における最低売上や最低点数を確認したいとき
- 在庫データの中から、条件付きで最も少ない在庫数を把握したいとき
5. 応用のポイント
DMIN関数は、条件範囲に複数列を指定することでAND条件やOR条件を組み合わせることができます。
フィールドは文字列(列見出し)でも列番号でも指定可能ですが、列見出しを使用する方が可読性と保守性に優れます。
6. 具体例とその解説
以下のようなデータベースがあるとします。
A列 B列 C列
"氏名" "部署" "売上"
"佐藤" "営業" 120
"鈴木" "営業" 150
"田中" "総務" 90
"高橋" "営業" 135
条件範囲を以下のように設定します。
E列
"部署"
"営業"
以下の式を入力します。
=DMIN(A1:C5, "売上", E1:E2)
この式では、「営業」部門に所属する社員の中で、売上の最小値を返します。
結果は120になります(佐藤の売上が最小)。
7. 関連関数の紹介
- DMAX関数 – 条件に一致するデータの最大値を求める関数
- DAVERAGE関数 – 条件に一致するデータの平均値を求める関数
- DSUM関数 – 条件に一致する数値の合計を求める関数
- MINIFS関数 – 条件付きで最小値を求める関数(より簡易な形式)
8. まとめ
DMIN関数は、指定した条件に一致するレコードの中から最小値を抽出するのに適しています。
複数の条件を柔軟に設定できる点が強みであり、データベース形式での業務管理において非常に役立つ関数です。
9. 対応バージョン
DMIN関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで利用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも問題なく使用できます。