DDB関数 – 定率法による減価償却費を計算する関数
1. 使い方と活用例
DDB関数は、定率法（減価償却の一手法）を用いて、資産のある期間における減価償却費を計算する関数です。
資産の初期コスト、残存価値、耐用年数、対象期間などを指定することで、任意の期間の減価償却額を求めることができます。
2. 基本の書式
=DDB(取得原価, 残存価値, 耐用年数, 期間, [係数])3. 引数の説明
- 取得原価 – 資産の購入価格を指定します。
- 残存価値 – 耐用年数終了時における資産の価値（廃棄価値）を指定します。
- 耐用年数 – 資産が使用可能と見込まれる年数を指定します。
- 期間 – 減価償却費を計算する対象の期間（年単位）を指定します。1が初年度を意味します。
- 係数（省略可能） – 減価償却の計算に使用する係数を指定します。省略時は2（定率法の標準係数）が使用されます。
4. 使用シーン
- 会社で資産の会計処理を行う際に、定率法で減価償却費を求めたいとき
- 設備投資に関して、初年度の償却費を試算したいとき
5. 応用のポイント
DDB関数は、最初の数年間に多くの償却費を計上し、その後は徐々に減らす「加速償却」を行うための関数です。
係数を変えることで、償却ペースを調整することも可能です。
この関数は年間単位での償却に限定されており、月単位などでの詳細な償却計算を行いたい場合には工夫が必要です。
6. 具体例とその解説
=DDB(100000, 10000, 5, 1)
この例では、取得原価100,000円、残存価値10,000円、耐用年数5年の資産について、1年目の減価償却費を計算しています。
結果は36,000円となります（標準の係数2を使用）。
同様に、期間を2にすれば2年目の償却費が求められます。
7. 関連関数の紹介
8. まとめ
DDB関数は、定率法に基づいて加速的に減価償却費を計算するのに適した関数です。
資産の減価償却を計画的に行いたい場合や、初期コストの早期回収を目指す場合に有効です。
SLN関数やSYD関数と使い分けることで、用途に応じた減価償却計算が可能になります。
9. 対応バージョン
DDB関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで利用可能です。
Microsoft 365やExcel for Macにも対応しており、長年にわたり安定して利用できる関数です。