CSC関数 – 指定した角度の余接線(コセカント)を返す関数
1. 使い方と活用例
CSC関数は、指定された角度(ラジアン)に対する余接線(コセカント)を計算する関数です。
コセカントとは、1 ÷ SIN(正弦)に相当する三角関数で、技術計算や工学、物理学などで利用されます。
2. 基本の書式
=CSC(数値)
3. 引数の説明
- 数値 – コセカントを求めたい角度(ラジアン単位)を指定。
4. 使用シーン
- 建築・土木などで角度に基づいた比率を計算したいとき
- 工学・物理の数式でコセカントを用いる必要があるとき
- 三角関数を利用した数理モデルの一部として使うとき
5. 応用のポイント
CSC関数は角度をラジアン単位で受け取るため、角度(度)を指定する場合は、RADIANS
関数で変換する必要があります。
また、SIN関数の値が0になる点(例:0, π, 2πなど)では、CSC関数はエラー(#DIV/0!)になります。
CSC(x) = 1 / SIN(x)
としても同様の計算が可能です。
6. 具体例とその解説
=CSC(PI()/2)
この式は、π/2ラジアン(90度)における余接線を計算します。
SIN(π/2) = 1 なので、CSC(π/2) = 1 ÷ 1 = 1 という結果が返されます。
=CSC(RADIANS(30))
この式では、30度をラジアンに変換し、その余接線を求めています。
SIN(30°) = 0.5 なので、CSC(30°) = 1 ÷ 0.5 = 2 が返されます。
7. 関連関数の紹介
- SIN関数 – 指定角度の正弦(サイン)を返す関数
- COS関数 – 指定角度の余弦(コサイン)を返す関数
- TAN関数 – 指定角度の正接(タンジェント)を返す関数
- SEC関数 – 指定角度の余弦の逆数(セカント)を返す関数
- COT関数 – 指定角度の正接の逆数(コタンジェント)を返す関数
8. まとめ
CSC関数は、SIN関数の逆数として、三角関数の一部を担う数学関数です。
ラジアン単位に注意しながら使用すれば、技術計算やグラフ描画に役立ちます。
9. 対応バージョン
CSC関数は、Excel 2013以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは利用できないため、代わりに =1/SIN(数値)
を使用することで同様の結果を得られます。