COUPPCD関数 – 利付債の直前の利払い日を返す関数
1. 使い方と活用例
COUPPCD関数は、利付債において指定した償還日より前の最後の利払い日(直前のクーポン期日)を返す関数です。
債券の利息計算や経過利子の算定において、クーポンのスケジュール把握に欠かせない関数です。
2. 基本の書式
=COUPPCD(清算日, 償還日, 頻度, 基準, [計算方式])
3. 引数の説明
- 清算日 – 債券の購入日または取引日。
- 償還日 – 債券の満期日(元本の返済日)。
- 頻度 – 年間の利払い回数。1(年1回)、2(半年ごと)、4(四半期ごと)のいずれか。
- 基準 – 利息計算に用いる日数計算方法。
- 0 = 米国方式(NASD 30/360)
- 1 = 実際の日数/実際の日数
- 2 = 実際の日数/360
- 3 = 実際の日数/365
- 4 = ヨーロッパ方式(30/360)
- 計算方式(省略可能)– 日本語版Excelでは非対応の引数。省略可。
4. 使用シーン
- 債券の経過利子を計算する際に、直近の利払い日を求めたいとき
- クーポン期間を使って、現在の期中での期間割合を計算したいとき
5. 応用のポイント
COUPPCD関数は、清算日がどの利払期に属しているかを判断し、その期の直前の利払い日を返します。
この日付は、利息計算や債券の帳簿評価などにおいて、開始日として扱われることが多いです。
関数は 日付型で結果を返すため、TEXT
関数などで表示形式を整えることも可能です。
6. 具体例とその解説
=COUPPCD(DATE(2024,4,1), DATE(2026,4,30), 2, 0)
この式では、2024年4月1日時点で、償還日が2026年4月30、利払いが年2回、30/360方式の場合の直前の利払い日を求めます。
結果は 2023年10月31日 となります(利払い日は毎年4月30日と10月31日とみなされる)。
7. 関連関数の紹介
- COUPNCD関数 – 次の利払い日を返す関数
- COUPDAYS関数 – 利払期間の日数を返す関数
- COUPDAYBS関数 – 利払期間の開始日から清算日までの日数を返す関数
- YIELD関数 – 債券の最終利回りを計算する関数
8. まとめ
COUPPCD関数は、利付債の直前の利払い日を正確に把握するために重要な関数です。
他の債券関連関数と組み合わせることで、利息や利回りの計算を正確に行うことができます。
債券の運用や評価に関わるExcel作業で役立ちます。
9. 対応バージョン
COUPPCD関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも利用できます。