COT関数 – 余接関数(cot)の値を返す関数
1. 使い方と活用例
COT関数は、指定した角度(ラジアン)に対する余接関数(cot:コタンジェント)の値を返す関数です。
cot(θ) は tan(θ) の逆数(1 ÷ tan(θ))であり、三角関数の逆関係を利用した角度解析やグラフ作成などに使われます。
2. 基本の書式
=COT(数値)
3. 引数の説明
- 数値 – 角度をラジアン単位で指定します(例:PI()/4 = 45度)。
4. 使用シーン
- 三角関数に基づく幾何計算や物理演算を行いたいとき
- tan関数を使った解析の逆関係を表現したいとき
- 周期関数のグラフ作成や波形解析に
5. 応用のポイント
COT関数は以下の式で定義されます:
cot(x) = 1 / tan(x)
そのため、tan(x) = 0 となる角度(例:x = π, 2π, 3π…)では、COT(x)
は 無限大に発散し、#DIV/0! エラーになります。
角度はラジアン単位で入力するため、度数法の角度を使う場合は RADIANS関数
を併用してください。
6. 具体例とその解説
=COT(PI()/4)
45度(π/4ラジアン)の余接関数を求めます。結果は 1 になります。
=COT(RADIANS(30))
30度をラジアンに変換してから余接関数を求めます。結果は 約1.7321。
=COT(PI())
πラジアン(180度)の場合、tanが0になるため、#DIV/0! エラーが返されます。
7. 関連関数の紹介
- TAN関数 – 正接関数(tan)の値を返す関数
- SIN関数 – 正弦関数(sin)の値を返す関数
- COS関数 – 余弦関数(cos)の値を返す関数
- COTH関数 – 双曲線余接関数を返す関数
- RADIANS関数 – 度をラジアンに変換する関数
8. まとめ
COT関数は、tan関数の逆数である余接関数を求めるための関数です。
三角関数を用いた高度な数式処理や周期的な解析を行う際に便利で、tanと対になる関数として覚えておくと役立ちます。
9. 対応バージョン
COT関数は、Excel 2013以降のバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。
Excel 2010以前では使用できません。