CORREL関数 – 2つのデータ系列の相関係数を求める関数
1. 使い方と活用例
CORREL関数は、2つのデータ系列の間のピアソンの積率相関係数を計算し、相関の強さと方向（−1〜1）を示す値を返す関数です。
売上と広告費、気温と電力消費量など、2つの変数がどれだけ連動して動くかを把握するのに使われます。
2. 基本の書式
=CORREL(配列1, 配列2)3. 引数の説明
- 配列1 – 最初のデータ系列（数値の範囲）を指定します。
- 配列2 – 2番目のデータ系列（配列1と同じサイズの範囲）を指定します。
4. 使用シーン
- 売上と広告費、体重と運動量などの関係性を分析したいとき
- 変数間の傾向（比例関係、逆比例など）を数値で把握したいとき
- 統計学的な検定や回帰分析の前提として相関の有無をチェックしたいとき
5. 応用のポイント
CORREL関数は、相関係数（r）を −1〜1 の範囲で返します。
- 1：完全な正の相関（右肩上がり）
- 0：相関なし
- −1：完全な負の相関（右肩下がり）
値の絶対値が大きいほど、関係性が強いことを示します。
相関関係があっても因果関係があるとは限らない点に注意が必要です。
6. 具体例とその解説
=CORREL(A2:A6, B2:B6)次のようなデータを用いた場合
| A列（広告費） | B列（売上） |
|---|---|
| 10 | 100 |
| 20 | 200 |
| 30 | 300 |
| 40 | 400 |
| 50 | 500 |
この式は相関係数 1 を返し、広告費と売上が完全に正の相関関係にあることを示します。
7. 関連関数の紹介
- PEARSON関数 – ピアソンの相関係数を返す関数（CORRELと同じ結果）
- COVARIANCE.P関数 – 母集団に基づく共分散を返す関数
- COVARIANCE.S関数 – 標本に基づく共分散を返す関数
- LINEST関数 – 線形回帰の係数や統計量を求める関数
8. まとめ
CORREL関数は、2つの変数の間にどれだけ直線的な関係性があるかを数値で評価できる強力な関数です。
統計分析や傾向の把握、ビジネスにおける因果関係の仮説検証にも役立ちます。
9. 対応バージョン
CORREL関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。