BESSELJ関数 – 第1種ベッセル関数(Jₙ)の値を返す関数
1. 使い方と活用例
BESSELJ関数は、指定された数値に対する第1種ベッセル関数 Jₙ(x)(Bessel Function of the First Kind)の値を返す関数です。
この関数は、振動・波動・電磁場の解析などにおいて、円筒座標系の数理モデルを構築する際に広く使われます。
2. 基本の書式
=BESSELJ(X, N)
3. 引数の説明
- X – 関数を評価する実数(通常は 0 以上の値)。波動関数などの引数になります。
- N – ベッセル関数の次数(階数)を表す非負の数値(整数または実数)。
4. 使用シーン
- 構造力学における振動モードの計算
- 電磁波解析や信号処理モデルにおける特殊関数の利用
- 熱伝導や圧力波、波動方程式の解析
5. 応用のポイント
BESSELJ関数は、ベッセル微分方程式の正則解(J関数)を返します。
次数 N は整数である必要はなく、実数でも計算可能です。
x = 0 のとき、N = 0 なら J₀(0) = 1、N ≠ 0 なら Jₙ(0) = 0 になります。
負の x に対しても定義されており、奇数次数では符号が反転します(Jₙ(−x) = (−1)ⁿ × Jₙ(x))。
6. 具体例とその解説
=BESSELJ(1, 0)
J₀(1) を計算します。結果は 約0.7652。
=BESSELJ(2.5, 1)
x = 2.5、次数1のベッセル関数 J₁(2.5) の値を求めます。結果は 約0.4971。
=BESSELJ(0, 2)
J₂(0) は 0。結果は 0。
7. 関連関数の紹介
- BESSELY関数 – 第2種ベッセル関数(Yₙ)を返す関数
- BESSELI関数 – 第1種変形ベッセル関数(Iₙ)を返す関数
- BESSELK関数 – 第2種変形ベッセル関数(Kₙ)を返す関数
- EXP関数 – 指数関数 e^x を返す関数
8. まとめ
BESSELJ関数は、振動・波動解析や物理シミュレーションにおいて重要な特殊関数である Jₙ(x) を計算します。
構造工学、物理学、信号処理、電磁気学など多岐にわたる分野で活用される数式モデルの中核を成す関数です。
9. 対応バージョン
BESSELJ関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。