BESSELI関数 – 第1種変形ベッセル関数の値を返す関数
1. 使い方と活用例
BESSELI関数は、指定した値に対する第1種変形ベッセル関数(Modified Bessel Function of the First Kind)の結果を返します。
この関数は、振動解析、波動方程式、電磁場計算などの物理・工学的応用において利用されます。
2. 基本の書式
=BESSELI(X, N)
3. 引数の説明
- X – 関数の引数。実数値で、ベッセル関数の変数に相当します。
- N – ベッセル関数の次数(階数)を表す数値(通常は整数)。
4. 使用シーン
- 円筒座標や球座標系での波動・振動の解析
- 物理モデル(熱、電磁波、弾性など)における数式処理
- 特殊関数が必要な科学技術計算
5. 応用のポイント
BESSELI関数は、虚数引数を持つベッセル関数 Jn(ix) に対応し、次のような形式の級数展開によって計算されます。関数は急速に増加するため、大きな X に対しては注意が必要です。
次数 N は実数でも受け付けますが、通常は整数で使われることが多いです。
6. 具体例とその解説
=BESSELI(1, 0)
第0次の第1種変形ベッセル関数 I₀(1) を計算します。結果は 約1.2661。
=BESSELI(2.5, 1)
X=2.5、次数1のベッセル関数 I₁(2.5) を求めます。結果は 約1.3024。
=BESSELI(0, 0)
I₀(0) は常に 1 です。
7. 関連関数の紹介
- BESSELJ関数 – 通常の第1種ベッセル関数(Bessel J)を返す関数
- BESSELK関数 – 第2種変形ベッセル関数(Modified Bessel K)を返す関数
- BESSELY関数 – 第2種ベッセル関数(Bessel Y)を返す関数
- EXP関数 – 指数関数(e^x)を返す関数
8. まとめ
BESSELI関数は、特殊関数である変形ベッセル関数 Iₙ(x) を計算するための高度な数値関数です。
工学・物理・数学の各分野におけるシミュレーションや理論モデルの計算において不可欠なツールです。
9. 対応バージョン
BESSELI関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。