ATAN関数 – 指定した数値のアークタンジェント(逆正接)をラジアンで返す関数
1. 使い方と活用例
ATAN関数は、指定された数値に対するアークタンジェント(逆正接)の値をラジアン単位で返す関数です。
tan(θ) = x を満たす角度θを求めたいときに使われ、三角比の逆計算や傾きから角度を求める用途でよく使用されます。
2. 基本の書式
=ATAN(number)
3. 引数の説明
- number – 逆正接を求めたい数値を指定します。任意の実数を入力できます。
4. 使用シーン
- 傾き(rise/run)から角度を求めたいとき
- tan(θ) = x の形の三角関数の逆計算をしたいとき
- ベクトルの方向や角度を算出したいとき
5. 応用のポイント
ATAN関数の戻り値はラジアンであるため、度数で扱いたい場合は DEGREES
関数と組み合わせます。
また、XY座標の2軸の角度を求めたいときは ATAN2関数の使用が適しています。
ATANは、xの符号だけを見て計算されるため、象限を考慮した角度が必要な場合はATAN2を使うのが安全です。
6. 具体例とその解説
=ATAN(1)
この式は、tan(θ) = 1 を満たす角度θをラジアンで返します。
結果は約 0.7854(π/4)で、度に換算すると45度に相当します。
=DEGREES(ATAN(1))
この式は、上記と同じアークタンジェントの結果を度数法で表示します。
結果は 45 になります。
7. 関連関数の紹介
- TAN関数 – 指定した角度のタンジェント(正接)を返す関数
- ATAN2関数 – XとYの座標から象限を考慮して角度(ラジアン)を求める関数
- DEGREES関数 – ラジアンを度に変換する関数
- RADIANS関数 – 度をラジアンに変換する関数
8. まとめ
ATAN関数は、正接の逆演算を行いたいときに非常に便利な関数です。
傾きや三角比から角度を求めたいときの基本関数として、工学、数学、プログラミングなど幅広い場面で活用されます。
角度の単位(ラジアンと度)の変換には注意が必要です。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。