AND関数 – すべての条件が TRUE のときに TRUE を返す論理関数
1. 使い方と活用例
AND関数は、指定した複数の論理式のすべてが TRUE(真)である場合に TRUE を返し、1つでも FALSE(偽)があれば FALSE を返す関数です。
複数条件をすべて満たすかどうかを確認したいときに便利で、IF関数と組み合わせて使われることも多いです。
2. 基本の書式
=AND(論理式1, [論理式2], …)
3. 引数の説明
- 論理式1 – TRUE または FALSE を返す条件式やセル参照。
- 論理式2 以降(省略可)– 他の論理条件を追加指定できます(最大255個)。
4. 使用シーン
- 「売上が10万円以上かつ訪問件数が50件以上」のように、複数条件を満たすデータを抽出したいとき
- 成績評価で「数学と英語の両方が合格しているか」を判定したいとき
- 条件に基づいてセルの色や値を変更する条件付き書式に活用したいとき
5. 応用のポイント
AND関数は、IF関数と組み合わせることで「すべての条件を満たす場合に〇〇、それ以外は××」のような分岐処理が可能です。
空白セルを含む場合でもエラーにはなりませんが、比較演算子(>
、=
など)を適切に使う必要があります。
6. 具体例とその解説
=AND(A1>=100000, B1>=50)
A1が10万円以上、かつB1が50以上の場合に TRUE を返します。
=IF(AND(C2>=60, D2>=60), "合格", "不合格")
C2とD2の両方が60点以上なら「合格」、いずれかが満たされなければ「不合格」と表示します。
=AND(TRUE, TRUE, FALSE)
この式は、1つでも FALSE があるため、結果は FALSE です。
7. 関連関数の紹介
- OR関数 – いずれか1つでも TRUE なら TRUE を返す関数
- NOT関数 – 論理値を反転(TRUE → FALSE)する関数
- IF関数 – 条件に応じて異なる値を返す関数
- XOR関数 – 論理式が1つだけ TRUE の場合に TRUE を返す関数
8. まとめ
AND関数は、すべての条件が成り立つかどうかを論理的に判定する基本関数です。
単独でも使えますが、IF関数や条件付き書式と組み合わせることで、より柔軟で実用的なデータ判定が可能になります。
9. 対応バージョン
AND関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。