ACOSH関数 – 双曲線余弦関数の逆関数(アークハイパーボリックコサイン)を返す関数
1. 使い方と活用例
ACOSH関数は、指定された数値に対する双曲線余弦関数(cosh)の逆関数(acosh)の値をラジアン単位で返す関数です。
数式処理や物理・工学的な解析、統計分布の一部など、数学的に高度な計算が必要な場面で使われます。
2. 基本の書式
=ACOSH(数値)
3. 引数の説明
- 数値 – acosh を計算したい値。1以上の数値である必要があります。
4. 使用シーン
- 双曲線関数を利用した数理モデルの計算に
- 指数的増加を伴うシミュレーションや経済モデルの解析に
- 統計的分布や熱伝導計算などにおける数学的変換処理に
5. 応用のポイント
ACOSH関数は、次の定義に基づいて計算されます。
acosh(x) = LN(x + √(x² − 1))
この関数の入力値は 1以上である必要があり、1未満の値を指定すると #NUM! エラーになります。
cosh(x) の値から元の x を逆算したいときに用います。
6. 具体例とその解説
=ACOSH(1)
cosh(x) = 1 のときの x(つまり acosh(1))を求めます。結果は 0。
=ACOSH(2)
cosh(x) = 2 となる x を求めます。結果は 約1.31696。
=ACOSH(0.9)
この場合、1未満の値のため #NUM! エラーになります。
7. 関連関数の紹介
- COSH関数 – 双曲線余弦関数(cosh)を返す関数
- ACOS関数 – 通常の余弦関数(cos)の逆関数を返す関数
- ASINH関数 – 双曲線正弦関数(sinh)の逆関数を返す関数
- LN関数 – 自然対数(底e)の計算に使う関数
8. まとめ
ACOSH関数は、双曲線余弦関数の逆関数を求めるための特殊な関数で、指数・対数的な関係を持つ現象や計算モデルにおいて不可欠です。
数学的な応用や高精度な数式処理の場面で活躍します。
9. 対応バージョン
ACOSH関数は、Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelでも対応しています。