MID関数 – 文字列の一部を「文字数」単位で抽出する関数
1. 使い方と活用例
MID関数は、文字列の中から指定した位置から始まる特定の文字数分を抽出する関数です。
文字列から特定の部分(例えば、氏名の姓やコードの一部など)を取り出す際に便利です。
全角・半角を問わず、1文字は常に1としてカウントされます(バイト数ではなく文字数ベース)。
2. 基本の書式
=MID(text, start_num, num_chars)
3. 引数の説明
- text – 必須。対象となる文字列。
- start_num – 必須。抽出を開始する位置(1文字目から数えた番号)。
- num_chars – 必須。抽出する文字数。
4. 使用シーン
- 氏名から名前や苗字を切り出したい場合(例:「山田太郎」から「太郎」を抽出)。
- 製品コードの一部を取り出して、カテゴリやロット番号を識別したい場合。
- セル内の文字列をパターンに応じて分割・加工したい場合。
5. 応用のポイント
MID関数は、文字数ベースで動作するため、全角・半角に関係なく1文字として扱います。
日本語の全角文字(例:「山」や「田」)も英数字の半角文字(例:「A」「1」)も同じく1文字とカウントされます。
バイト数で制御したい場合は、MIDB関数を使用します。
6. 具体例とその解説
セルA1に「山田太郎」という文字列があるとします。
=MID(A1, 3, 2)
この式は、「3文字目から2文字分」を抽出するため、「太郎」が返されます。
また、文字列「ABCDEF」の中から、4文字目から3文字を取得する場合:
=MID("ABCDEF", 4, 3)
結果は「DEF」になります。
7. 関連関数の紹介
- LEFT関数 – 文字列の先頭から指定した文字数を抽出する関数
- RIGHT関数 – 文字列の末尾から指定した文字数を抽出する関数
- MIDB関数 – バイト数ベースで文字列の一部を抽出する関数(全角文字対応)
- LEN関数 – 文字列の文字数を取得する関数
- TEXT関数 – 書式を指定して文字列を整形する関数
8. まとめ
MID関数は、文字列の一部を抽出する基本かつ強力な関数です。
文字数ベースで動作するため、全角・半角を意識せずに使用できます。
LEFTやRIGHT、MIDBなどの関数と併用することで、より柔軟な文字列操作が可能になります。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online でも問題なく利用できます。