XOR関数 – 排他的論理和を返す関数
1. 使い方と活用例
XOR関数は、複数の論理式のうち、真(TRUE)であるものが「奇数個」ある場合にTRUEを返し、偶数個または0個の場合にFALSEを返す論理関数です。
主に条件分岐の中で、互いに排他的な条件を判定したい場合や、オン・オフの状態が重複しないようなチェックに活用されます。
2. 基本の書式
=XOR(logical1, [logical2], ...)
3. 引数の説明
- logical1 – 評価する最初の条件または論理式を指定します。
- [logical2], … – (省略可能)追加の条件または論理式を指定します。最大254個まで指定可能です。
4. 使用シーン
- 「どちらか一方がTRUEならTRUE、両方TRUEまたは両方FALSEならFALSE」という条件のチェック
- 複数のスイッチや条件のうち、オンが奇数個だけ有効な状況を検出する場合
- アンケートの選択肢で、複数選択不可(単一選択)の整合性確認
5. 応用のポイント
XOR関数はAND関数やOR関数とは異なり、「真が奇数個」のときのみTRUEを返す点が特徴です。
2つの条件だけの場合、XOR(A, B)は「AとBが異なる場合にTRUE」と解釈できます。
複数の条件においても、結果的にTRUEが奇数個存在する場合だけTRUEになるため、複雑な条件検証に使われることもあります。
6. 具体例とその解説
=XOR(TRUE, FALSE)
この式は「TRUEとFALSE」の2つの条件を評価しています。
TRUEは1つなので奇数個、結果はTRUEとなります。
=XOR(TRUE, TRUE)
この式ではTRUEが2つあるため偶数個となり、結果はFALSEになります。
XOR関数の特徴である「排他的な真」の概念がよく表れています。
7. 関連関数の紹介
- OR関数 – 引数のいずれかがTRUEであればTRUEを返す関数
- AND関数 – 引数すべてがTRUEであればTRUEを返す関数
- NOT関数 – 条件がTRUEならFALSEを、FALSEならTRUEを返す関数
- IF関数 – 条件に応じて異なる値を返す代表的な分岐関数
8. まとめ
XOR関数は、複数の条件の中で排他的な状態をチェックしたい場合に便利な関数です。
条件が重複しないことを確認するチェックロジックや、制御フローの整合性検証に活用されます。
TRUEの数が奇数かどうかを見て結果を返す、ユニークな論理関数です。
9. 対応バージョン
XOR関数はExcel 2013以降のバージョンで利用可能です。
それ以前のバージョンでは、IF関数やAND、OR関数の組み合わせで同様のロジックを作成する必要があります。