UNIQUE関数 – 検索/行列

UNIQUE関数 – 一意の値を抽出する関数


1. 使い方と活用例

UNIQUE関数は、指定した範囲や配列から重複しない一意の値を抽出するための関数です。
リストやテーブルに含まれるデータの中から、ユニークな値のみを取得したい場合に非常に便利です。
たとえば、販売記録から一意の顧客名を抽出したり、重複した商品名を除いた一覧を作成する際に活用されます。

2. 基本の書式

=UNIQUE(array, [by_col], [exactly_once])

3. 引数の説明

  • array – 一意の値を抽出する対象の配列または範囲を指定します。
  • [by_col] – 列単位での抽出を行うかどうかを指定する論理値(省略可能)。FALSEまたは省略時は行単位、TRUEの場合は列単位で処理します。
  • [exactly_once] – 値が一度だけ出現する場合のみを抽出するかどうかを指定する論理値(省略可能)。TRUEにすると完全に一意な値のみを返します。

4. 使用シーン

・売上リストからユニークな商品名の一覧を作成したいとき。
・アンケート結果から重複しない回答項目を抽出したいとき。
・一度だけ登場した要素をリスト化して特定の分析を行いたいときなどに役立ちます。

5. 応用のポイント

UNIQUE関数はSORT関数やFILTER関数と組み合わせて使うことで、さらに柔軟なデータ抽出が可能になります。
たとえば、重複のないデータを抽出しつつ昇順に並べ替えたり、条件付きでユニーク値を取得することができます。
また、スピル(自動拡張)機能を活かすことで、他のセルに影響を与えずにデータの動的表示が可能です。

6. 具体例とその解説

=UNIQUE(A2:A10)

この式は、A2からA10の範囲にあるデータから、重複を除いた一意の値を縦方向に抽出します。
たとえば「りんご」「みかん」「りんご」「バナナ」のようなデータがある場合、「りんご」「みかん」「バナナ」の3つが抽出されます。

=UNIQUE(A2:C5, TRUE)

この式は、A2からC5の範囲の列単位で一意の列を抽出します。
列ごとのユニークな組み合わせを知りたいときに有効です。

=UNIQUE(A2:A20,, TRUE)

この式では、A2からA20の範囲において、1回だけ出現する完全なユニーク値のみを抽出します。
同じ値が2回以上登場するものは除かれます。

7. 関連関数の紹介

  • SORT関数 – 配列や範囲を昇順または降順に並べ替える関数
  • FILTER関数 – 条件に一致するデータのみを抽出する関数
  • REMOVE_DUPLICATES関数(非関数的操作) – データタブの機能として、重複を削除する操作が可能

8. まとめ

UNIQUE関数は、データの中から重複を取り除いた一意の情報を簡単に抽出できる非常に便利な関数です。
特にリストやデータベースのように大量のデータを扱う場面で、データの整理や分析に大きく貢献します。
他の関数と組み合わせることで応用範囲も広がり、動的なレポート作成にも活用できます。

9. 対応バージョン

UNIQUE関数は、Microsoft 365 および Excel 2021 以降で利用可能です。
それ以前のバージョン(Excel 2019やExcel 2016など)では使用できませんので注意が必要です。