TBILLYIELD関数 – 財務

TBILLYIELD関数 – 米国財務省短期証券(T-bill)の利回りを計算する関数


1. 使い方と活用例

TBILLYIELD関数は、米国財務省短期証券(T-bill)の割引利回り(年利ベース)を計算する関数です。
割引形式で発行される短期国債(償還時に額面を受け取る)に対し、実際の購入価格から年利換算した利回りを求めたいときに使用されます。

2. 基本の書式

=TBILLYIELD(清算日, 満期日, 割引価格)

3. 引数の説明

  • 清算日 – 証券の購入日(settlement)。実際に取引が成立する日付。
  • 満期日 – 証券の償還日(maturity)。購入から1年以内である必要があります。
  • 割引価格 – 額面100ドルに対する購入価格(例:97.5 など)。

4. 使用シーン

  • 米国短期国債(T-bill)の投資利回りを年率ベースで算出したいとき
  • 割引債の利回り比較や資産評価を行いたいとき
  • 財務分析や金融ポートフォリオで利回り指標を用いた判断をしたいとき

5. 応用のポイント

TBILLYIELD関数では、満期日は清算日より1年以内である必要があります。これを超えると #NUM! エラーになります。
計算には360日ベースの年率換算方式が使われます(一般的な金融計算と一致)。
日付引数は、Excel のシリアル値または DATE関数 で入力するのが確実です。

6. 具体例とその解説

=TBILLYIELD(DATE(2025, 4, 1), DATE(2025, 9, 30), 97.5)

2025年4月1日に97.5ドルで購入し、2025年9月30日に額面100ドルで償還されるT-billの年率換算利回りを求めます。
結果は 約0.0208(= 2.08%) となります。

7. 関連関数の紹介

  • TBILLPRICE関数 – T-bill の価格(割引価格)を計算する関数
  • TBILLEQ関数 – 利回りを等価利回り(実効利回り)に変換する関数
  • YIELD関数 – クーポン付き証券の利回りを計算する関数
  • DISC関数 – 割引債の利回りを求める関数(一般的な割引債向け)

8. まとめ

TBILLYIELD関数は、割引形式の米国短期国債の利回り(年利)を正確に求められる便利な関数です。
T-billの利回り比較や投資判断、金融分析の指標として、金融業務でよく使われます。
1年以内の償還であること、360日ベースで計算される点に留意しましょう。

9. 対応バージョン

TBILLYIELD関数は、Excel 2003以降すべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel for Mac、Web版Excelにも対応しています。