TAKE関数 – 配列の先頭または末尾から指定した数の行または列を抽出する関数
1. 使い方と活用例
TAKE関数は、配列の中から指定した数の行や列を取り出す関数です。
正の数を指定すれば先頭から、負の数を指定すれば末尾からデータを取り出します。
データの一部を切り出して分析したい場合や、表の冒頭・末尾だけを表示したい場面で役立ちます。
2. 基本の書式
=TAKE(配列, [行数], [列数])
3. 引数の説明
- 配列 – 行や列を取り出す対象の範囲または配列を指定します。
- [行数] – 抽出する行数を指定します。
正の数:先頭から、負の数:末尾から取得されます。 - [列数] – 抽出する列数を指定します(省略可)。
正の数:左から、負の数:右から取得されます。
4. 使用シーン
- データ表の上位または下位の数行だけを抽出したいとき
- 最新の数件や最初の数件だけを取り出してレポート表示したい場合
- FILTER関数などと組み合わせて、動的に表示データを制御したいとき
5. 応用のポイント
TAKE関数は、配列の任意の部分を簡単に取り出すことができるため、スピル対応関数と組み合わせたデータ整理やダッシュボードの作成にも活用できます。
引数を省略すれば元の配列全体が出力されるため、動的に行や列数を制御するロジックと組み合わせると柔軟な表示が可能です。
6. 具体例とその解説
=TAKE(A1:C10, 3)
この式は、範囲A1:C10の上から3行分を抽出します。
=TAKE(A1:C10, -2, 2)
この式は、範囲A1:C10の下から2行、左から2列を抽出します。
つまり、行は末尾から、列は先頭から取得されます。
=TAKE(A1:F10,, -1)
行数を省略し、列数に -1 を指定すると、配列の右端1列のみが全行分抽出されます。
7. 関連関数の紹介
- DROP関数 – 配列の先頭または末尾から指定した行や列を除外する関数
- CHOOSECOLS関数 – 配列から指定した列だけを取り出す関数
- CHOOSEROWS関数 – 配列から指定した行だけを取り出す関数
- INDEX関数 – 指定した行・列の位置にあるセルの値を取得する関数
8. まとめ
TAKE関数は、配列や範囲の一部を柔軟に取り出すことができる、便利なスピル対応関数です。
表示するデータの範囲を動的に制御したい場合や、先頭・末尾の一部だけを取り出す必要がある場合に特に有効です。
9. 対応バージョン
TAKE関数は、Microsoft 365 および Excel 2021以降のバージョンで使用可能です。
それ以前のバージョンでは利用できません。