SUMPRODUCT関数 – 数学/三角

SUMPRODUCT関数 – 配列同士の積の合計を求める関数


1. 使い方と活用例

SUMPRODUCT関数は、複数の配列の対応する要素同士を掛け算し、それらの積の合計を返す関数です。
条件付き集計、加重平均の計算、複雑なロジックを1つの関数で処理したい場合に非常に便利です。

2. 基本の書式

=SUMPRODUCT(配列1, [配列2], ...)

3. 引数の説明

  • 配列1, 配列2, … – 掛け合わせて合計を求めたい配列やセル範囲を指定します。すべての配列は同じサイズである必要があります。

4. 使用シーン

  • 加重平均や売上総額など、要素の掛け算と合計を同時に行いたいとき
  • 複数条件に基づいた集計やフィルタの代用
  • IF関数や配列数式を使わずに簡潔にロジックを記述したいとき

5. 応用のポイント

SUMPRODUCTは、数式内で論理式を使うことで条件付きの集計にも活用できます。
TRUE/FALSEを 1/0 に変換して計算するため、(条件)*(値) のような書き方で条件付き集計が実現できます。
なお、文字列や空白が含まれているとエラーになる場合があるので注意が必要です。

6. 具体例とその解説

=SUMPRODUCT({2,3,4}, {10,20,30})

それぞれの要素を掛けた結果(2×10, 3×20, 4×30)を合計します。
= 20 + 60 + 120 = 200

=SUMPRODUCT((A2:A10="東京")*(B2:B10))

A列が「東京」である行のB列の値だけを合計します。
(A2:A10=”東京”) が TRUE の行は 1、FALSE の行は 0 として扱われ、結果的に条件付き合計が可能になります。

7. 関連関数の紹介

  • SUM関数 – 単純な合計を求める基本関数
  • AVERAGE関数 – 平均値を求める関数
  • FILTER関数 – 条件に合うデータのみを抽出する動的配列関数
  • IF関数 – 条件に応じた処理を実行する関数
  • LET関数 – 複雑な数式の一時変数を定義できる関数

8. まとめ

SUMPRODUCT関数は、複数配列の掛け算と合計を組み合わせて実行できる強力な関数です。
特に条件付き集計や重み付き計算、表計算の効率化に役立ち、関数の中でも応用範囲が広い一つです。

9. 対応バージョン

SUMPRODUCT関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。