STOCKHISTORY関数 – 株価の履歴データを取得する関数
1. 使い方と活用例
STOCKHISTORY関数は、指定した証券の過去の株価情報(履歴データ)を取得するための関数です。
日次・週次・月次の価格情報(始値、高値、安値、終値、出来高など)を、開始日から終了日までの範囲で自動的に取得できます。
Microsoft 365 専用の関数で、動的配列として複数行のデータを一括で出力する特徴があります。
2. 基本の書式
=STOCKHISTORY(証券コード, 開始日, [終了日], [間隔], [ヘッダー], [プロパティ1], ...)
3. 引数の説明
- 証券コード – 株式やETFなどのティッカーシンボル。例:”MSFT”、”7203.T”(トヨタ自動車)など。
- 開始日 – 取得したい株価データの開始日。
- 終了日(省略可)– データの終了日。省略した場合は開始日と同日扱い。
- 間隔(省略可)– データの取得頻度。
- 0 = 日次(既定)
- 1 = 週次
- 2 = 月次
- ヘッダー(省略可)– 出力データのヘッダー表示形式。
- 0 = ヘッダーなし
- 1 = ヘッダー1行(列名)
- 2 = ヘッダー2行(フィールド名とデータ型)
- プロパティ(省略可)– 取得する列(フィールド)を指定。
- 0 = 日付
- 1 = 終値(既定)
- 2 = 始値
- 3 = 高値
- 4 = 安値
- 5 = 出来高
4. 使用シーン
- 過去の株価変動をグラフで可視化する
- ポートフォリオの分析やリターン計算
- 投資判断のために複数銘柄の比較を行う
5. 応用のポイント
日本株を取得する場合は「証券コード+.T」のように記述します(例:”7203.T” はトヨタ自動車)。
この関数はインターネットから株価情報を取得するため、インターネット接続が必要です。
また、Microsoft 365環境でのみ利用可能な関数であり、Excel 2019以前では使用できません。
6. 具体例とその解説
=STOCKHISTORY("MSFT", DATE(2023,1,1), DATE(2023,1,10))
この式は、マイクロソフト(MSFT)の2023年1月1日から1月10日までの日次株価を取得します。
既定では「日付」と「終値」の2列が返されます。
=STOCKHISTORY("7203.T", DATE(2023,1,1), DATE(2023,1,31), 2, 1, 0, 1, 2, 3, 4, 5)
この式は、トヨタ自動車の2023年1月の月次株価(全項目)を取得し、1行のヘッダー付きで表示します。
返される列は、日付、終値、始値、高値、安値、出来高の順です。
7. 関連関数の紹介
- WEBSERVICE関数 – URLから外部データを取得する関数
- FILTER関数 – 株価データを条件付きで抽出する関数
- INDEX関数 – 配列内から特定の位置の値を取得する関数
- SEQUENCE関数 – 日付やデータ分析用の連番を生成する関数
8. まとめ
STOCKHISTORY関数は、株価データをリアルタイムで取得・分析したいユーザーにとって非常に便利な機能です。
Microsoft 365限定の機能である点と、日本株や外国株の証券コードの形式には注意が必要です。
動的配列として出力されるため、表形式でのデータ活用にも適しています。
9. 対応バージョン
STOCKHISTORY関数は、Microsoft 365 サブスクリプション版の Excel でのみ使用可能です。
Excel 2019以前のバージョンでは利用できません。