STANDARDIZE関数 – 正規化されたZスコア(標準化スコア)を求める関数
1. 使い方と活用例
STANDARDIZE関数は、指定された値が平均からどれだけ離れているかを、標準偏差に基づいて計算したZスコア(標準化スコア)として返す関数です。
データの比較や正規分布に基づく統計分析で広く使用され、偏差値や標準得点の計算にも応用されます。
2. 基本の書式
=STANDARDIZE(x, mean, standard_dev)
3. 引数の説明
- x – 標準化したい元の値(データポイント)を指定します。
- mean – データセットの平均値。
- standard_dev – データセットの標準偏差(0より大きい値)。
4. 使用シーン
- 異なる単位やスケールのデータを比較可能な共通基準に変換したいとき
- 統計的手法(回帰分析、機械学習、クラスタリングなど)の前処理として標準化したいとき
- 成績やスコアを偏差値的に評価したいとき
5. 応用のポイント
STANDARDIZE関数によって得られるZスコアは、「どれだけ平均から離れているか」を標準偏差の単位で示します。
結果が0なら平均と等しく、正なら平均より大きい、負なら平均より小さいことを示します。
Zスコアを基にして正規分布における確率を求めたい場合は、NORM.S.DIST関数と組み合わせるのが効果的です。
6. 具体例とその解説
=STANDARDIZE(85, 70, 10)
この式は、平均70、標準偏差10のデータにおいて、値85がどれくらいのZスコアに相当するかを求めます。
結果は1.5となり、平均より1.5標準偏差分高いことを示します。
=STANDARDIZE(A1, B1, C1)
この式では、セルA1の値を、B1の平均、C1の標準偏差に基づいて標準化します。
複数のデータに対して同様の処理を自動的に行いたい場合に便利です。
7. 関連関数の紹介
- NORM.S.DIST関数 – 標準正規分布におけるZスコアの確率を返す関数
- AVERAGE関数 – 指定範囲の平均を求める関数
- STDEV.P関数 – 標本全体の標準偏差を求める関数
- STDEV.S関数 – 標本の標準偏差を求める関数
8. まとめ
STANDARDIZE関数は、データの標準化に不可欠な関数であり、異なる基準や単位のデータを比較する際や、統計モデルの入力値として整える際に非常に有効です。
Zスコアによってデータの位置や分布を定量的に把握することが可能になります。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。