SECH関数 – 指定した数値の双曲線正割(ハイパボリックセカント)を求める関数
1. 使い方と活用例
SECH関数は、指定された実数に対する双曲線正割(sech)の値を計算する関数です。
双曲線関数は、物理学・工学・金融数学などの分野で現れる「指数関数に基づく曲線」の計算に使用されます。
2. 基本の書式
=SECH(数値)
3. 引数の説明
- 数値 – 双曲線正割を求めたい任意の実数を指定します。
4. 使用シーン
- 双曲線関数を用いる数学モデルの計算
- 工学系の振動・波動解析における関数表現
- ニューラルネットワークなどで使用される活性化関数の理論的検証
5. 応用のポイント
SECH関数は次の式で定義されます。
sech(x) = 1 / cosh(x)
つまり、双曲線余弦(cosh)関数の逆数です。
cosh(x) = (ex + e−x) / 2 であるため、sech(x) は 2 / (ex + e−x) とも表せます。
値の範囲は常に 0 < sech(x) ≦ 1 です。
6. 具体例とその解説
=SECH(0)
cosh(0) = 1 なので、sech(0) = 1 / 1 = 1。
=SECH(1)
cosh(1) ≒ 1.543、sech(1) = 1 / 1.543 ≒ 0.648。
=SECH(-2)
coshは偶関数のため、sech(-2) = sech(2) ≒ 0.265。
7. 関連関数の紹介
- COSH関数 – 双曲線余弦(cosh)を求める関数
- SECH関数 – 双曲線正割(1/cosh)を求める関数
- SINH関数 – 双曲線正弦(sinh)を求める関数
- TANH関数 – 双曲線正接(tanh)を求める関数
- EXP関数 – 自然対数の底eのべき乗を返す関数
8. まとめ
SECH関数は、双曲線関数に基づいた計算を行う場面で使われる特殊関数です。
主に理論物理やエンジニアリングの高度な数式モデルにおいて活躍します。
cosh関数の逆数という性質を理解しておくことで、他の双曲線関数との連携も容易になります。
9. 対応バージョン
SECH関数は、Excel 2013以降のバージョンで使用可能です。
それ以前のバージョンでは使用できません。