RTD関数 – 検索/行列

RTD関数 – リアルタイムのデータをCOMアドイン経由で取得する関数


1. 使い方と活用例

RTD関数(Real-Time Data関数)は、Excelが外部のRTDサーバー(COMアドイン)と接続し、リアルタイムで更新されるデータを取得するための関数です。
株価、為替、センサー情報など、時間と共に変化するデータを自動的にシートに反映させたいときに利用されます。

2. 基本の書式

=RTD(プログラム識別子, サーバー, トピック1, [トピック2], ...)

3. 引数の説明

  • プログラム識別子 – RTDサーバーを指定する ProgID(例:”myserver.rtd”)。
  • サーバー – 通常は空文字 “”(ローカルマシンを意味します)。
  • トピック1〜n – RTDサーバーに送信するデータ識別のためのパラメータ。複数指定可能です。

4. 使用シーン

  • 証券会社や取引プラットフォームが提供するRTDアドインから株価を取得
  • IoTセンサーや製造機械からのリアルタイムデータをExcelで表示
  • 金融・医療・物流など、変動するデータの監視用途

5. 応用のポイント

RTD関数の動作には、RTDサーバー(COMアドイン)のインストールと動作が前提となります。
Excel単体では機能せず、外部アドインとの連携によってのみ値が返されます。
RTD関数は非同期的に値を取得・更新するため、セルの内容が時間とともに自動で変化します。

6. 具体例とその解説

=RTD("myfeed.rtd", "", "USDJPY")

“myfeed.rtd” というRTDサーバーから「USDJPY」(米ドル/円)の為替レートを取得します。
為替レートが変動するたびに、Excelのセルも自動更新されます。

=RTD("tradingplatform.rtd", "", "AAPL", "PRICE")

“tradingplatform.rtd” という証券会社のRTDサーバーから、AAPL(Apple社)の株価(PRICE)を取得する例です。

7. 関連関数の紹介

  • WEBSERVICE関数 – Web APIからデータを取得する関数(同期型)
  • FILTER関数 – データの動的抽出と組み合わせて表示制御が可能
  • DYNAMICARRAY関数群 – スピル対応の動的データ処理
  • IFERROR関数 – RTD関数の結果がエラーになる場合の表示制御

8. まとめ

RTD関数は、Excelでリアルタイム更新が必要なデータを表示するための強力な手段です。
ただし、外部のRTDサーバー(COMベース)が必要であるため、専門的な環境での使用が前提となります。
証券業界など、瞬時に変化するデータを扱う現場で非常に有効です。

9. 対応バージョン

RTD関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
ただし、使用には別途RTDサーバーの導入が必要です。