RECEIVED関数 – 割引債の満期時に受け取る金額を計算する関数
1. 使い方と活用例
RECEIVED関数は、割引債（利息を含まない債券）において、購入日と満期日、および割引率に基づき、満期時に受け取る金額を求める関数です。
主に短期国債や割引債券の受取金額の計算に使われます。
2. 基本の書式
=RECEIVED(決済日, 満期日, 割引率, 額面, [基準])3. 引数の説明
- 決済日 – 債券の購入日。実際に取引が成立した日を指定します。
- 満期日 – 債券が満期を迎える日（受け取りが行われる日）。
- 割引率 – 年率での割引率。10%なら「0.1」と入力。
- 額面 – 満期日に支払われる金額（例：100000）。
- [基準] – 日数計算の基準方式（省略可能）：
- 0 または省略：米国 (NASD) 方式（30日×12ヶ月）
- 1：実際の日数/実際の年数
- 2：実際の日数/360
- 3：実際の日数/365
- 4：ヨーロッパ方式（30日×12ヶ月）
4. 使用シーン
- 割引債の購入時に、満期まで保有した場合の受取金額を計算したいとき
- 投資案件で、満期リターンを見積もりたいとき
- 企業の短期金融商品の利回り分析
5. 応用のポイント
RECEIVED関数は、利息が定期的に支払われない割引債に特化しています。
利付債の場合はこの関数ではなく、YIELDやPRICE関数の使用が適しています。
関数内で使用する日付は、DATE関数や日付形式のセル参照で指定する必要があります。
6. 具体例とその解説
=RECEIVED(DATE(2024,4,1), DATE(2025,4,1), 0.05, 100000)
2024年4月1日に年5%の割引率で購入し、2025年4月1日に満期を迎える100,000円の割引債の受取金額を計算します。
1年間の割引率に基づき、受取金額は100,000円と表示されます（額面そのもの）。
割引購入金額はこの関数では表示されません。
7. 関連関数の紹介
- PRICEDISC関数 – 割引債の購入価格を計算する関数
- YIELDDISC関数 – 割引債の利回りを求める関数
- PRICE関数 – 利付債の現在価格を求める関数
- YIELD関数 – 利付債の利回りを求める関数
8. まとめ
RECEIVED関数は、割引債を満期まで保有した場合に受け取る金額（額面）を求めるシンプルで実用的な関数です。
購入時の割引率を踏まえた評価に用いることで、キャッシュフローや収益の見積もりに役立ちます。
9. 対応バージョン
RECEIVED関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。