RANDARRAY関数 – 指定された範囲に乱数の配列を生成する関数
1. 使い方と活用例
RANDARRAY関数は、指定した行数と列数の範囲に、ランダムな数値を自動生成する関数です。
任意の最小値と最大値を指定でき、整数か小数かも選べるため、テストデータの生成や乱数によるシミュレーションなどに最適です。
2. 基本の書式
=RANDARRAY([rows], [columns], [min], [max], [integer])
3. 引数の説明
- rows – 省略可能。生成する行数。省略時は1行になります。
- columns – 省略可能。生成する列数。省略時は1列になります。
- min – 省略可能。生成する乱数の最小値。省略時は0になります。
- max – 省略可能。生成する乱数の最大値。省略時は1になります。
- integer – 省略可能。TRUEを指定すると整数、FALSEまたは省略時は小数になります。
4. 使用シーン
- 大量のテストデータや疑似データをランダムに生成したいとき。
- シミュレーションや統計解析でランダムな数値セットが必要なとき。
- ランダムな抽選や順番のシャッフル処理を行いたいとき。
5. 応用のポイント
RANDARRAY関数は「動的配列関数」の一つで、1つのセルから複数セルへ自動的に展開(スピル)されます。
整数を生成したい場合は、integer
を TRUE に設定する必要があります。
乱数の再計算は、ブックが再計算されるたびに発生するため、結果を固定したい場合は「コピー→値として貼り付け」で対応します。
6. 具体例とその解説
1〜100の整数を、5行×3列でランダムに生成したい場合は、以下のように入力します。
=RANDARRAY(5, 3, 1, 100, TRUE)
この式により、5行3列の範囲に1〜100の乱数が整数で生成されます。
毎回シートを再計算するたびに結果が変わるため、動的なデータ生成に適しています。
7. 関連関数の紹介
- RAND関数 – 0以上1未満の乱数を返す基本的な関数。
- RANDBETWEEN関数 – 指定した最小値と最大値の間の整数乱数を返す関数。
- SEQUENCE関数 – 指定した行列数の連番配列を生成する関数。
- SORTBY関数 – ランダムな順番に並べ替えたいときにRANDARRAYと組み合わせて使われる関数。
- INDEX関数 – ランダムに選ばれた値を取り出す際に活用される関数。
8. まとめ
RANDARRAY関数は、動的に乱数の配列を生成できる非常に柔軟な関数です。
行数・列数・範囲・整数/小数の指定が可能で、シミュレーションやテストデータ作成など幅広い用途に対応します。
動的配列の知識と合わせて使えば、効率的なデータ処理が可能になります。
9. 対応バージョン
RANDARRAY関数は、Excel 365 および Excel 2019 以降で使用可能です。
それ以前のバージョン(Excel 2016など)では使用できません。