QUARTILE.EXC関数 – 四分位数(外れ値を除く計算)を求める関数
1. 使い方と活用例
QUARTILE.EXC関数は、データセットの中から「外れ値を除いた方法」で四分位数(第1〜第3四分位数)を求める関数です。
通常のQUARTILE関数やQUARTILE.INC関数とは異なり、データの最小値・最大値(0番目・4番目)を四分位数として含めません。
統計解析において、分布の中心部分に注目した分析を行いたい場合に適しています。
2. 基本の書式
=QUARTILE.EXC(array, quart)
3. 引数の説明
- array – 必須。四分位数を求める対象となる数値データの配列またはセル範囲。
- quart – 必須。求めたい四分位数を指定する数値(1〜3)。
4. 使用シーン
- 中央値を中心とした正確な分布の上下四分位を知りたいとき。
- 統計的に外れ値の影響を避けた四分位分析を行いたいとき。
- 学術研究や標準的な統計定義に基づくデータ分析を行う場合。
5. 応用のポイント
QUARTILE.EXC関数は、「最小値(quart=0)」「最大値(quart=4)」には対応していません。
使用できる quart
の値は「1(第1四分位数)」「2(中央値)」「3(第3四分位数)」のみです。
小さいデータセットでは、外れ値を除く計算のために正確な四分位数が得られない場合があります。
データ数が3未満の場合はエラーになります。
6. 具体例とその解説
次のデータがA1:A10にあるとします。
10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50, 55
この中で第1四分位数(quart=1)を求めるには、以下のように入力します。
=QUARTILE.EXC(A1:A10, 1)
この式は、最小値と最大値を除外した上で、下位25%地点の値(第1四分位数)を返します。
結果は約21.25になります(データにより異なります)。
7. 関連関数の紹介
- QUARTILE関数 – 四分位数を求める旧関数(最大・最小も含める)。
- QUARTILE.INC関数 – 四分位数を「包括的」に求める関数(最小〜最大も含めて計算)。
- PERCENTILE.EXC関数 – 百分位数を外れ値を除いて求める関数。
- MEDIAN関数 – データの中央値を返す関数。
- PERCENTILE.INC関数 – 百分位数を包括的に求める関数。
8. まとめ
QUARTILE.EXC関数は、外れ値の影響を除いた正確な四分位分析をしたい場合に適した関数です。
0番目・4番目(最小・最大)を含めないことで、より厳密な統計処理を実現できます。
データの分布傾向や偏りを確認するための重要なツールとして活用されます。
9. 対応バージョン
QUARTILE.EXC関数は、Excel 2010以降で使用可能です。
Excel 2007以前では利用できません。代わりにQUARTILE関数が使用されていました。