PRODUCT関数 – 数値の積(掛け算の結果)を求める関数
1. 使い方と活用例
PRODUCT関数は、指定した複数の数値をすべて掛け合わせた積を返す関数です。
掛け算を手動で「×」や「*」演算子で繋ぐ代わりに、複数のセル範囲や数値をまとめて計算できます。
複数項目の乗算が必要な財務計算やスケーリング処理などで便利です。
2. 基本の書式
=PRODUCT(数値1, [数値2], ...)
3. 引数の説明
- 数値1, [数値2], … – 掛け算の対象となる数値、セル参照、または範囲を1つ以上指定します。
4. 使用シーン
- 複数の売上要素(単価 × 数量 × 税率など)を一括で掛けたいとき
- 数列やデータの積を統計的に扱いたいとき
- 複数列の合計に比べ、掛け算が必要な積上げ計算を行いたいとき
5. 応用のポイント
PRODUCT関数は、範囲を一括で掛け算できるのが最大の利点です。
たとえば =A1*A2*A3
のような式を =PRODUCT(A1:A3)
に簡略化できます。
引数に0が含まれていると、結果は必ず0になります(掛け算の特性による)。
6. 具体例とその解説
=PRODUCT(2, 3, 4)
この式は 2 × 3 × 4 の積である「24」を返します。
=PRODUCT(A1:A5)
この式は、セルA1~A5に含まれる数値をすべて掛け合わせた結果を返します。
たとえば値が {2, 3, 1, 4, 5} なら結果は「120」になります。
=PRODUCT(A1:A3, B1:B3)
この式は、2つの範囲の数値をすべて掛け合わせます(A列とB列の6つの数値の積)。
7. 関連関数の紹介
- SUM関数 – 指定した数値を合計する関数(足し算)
- SUBTOTAL関数 – フィルターに応じた集計(平均、合計、積など)を行う関数
- POWER関数 – 指数(べき乗)を計算する関数
- EXP関数 – ネイピア数eのべき乗を返す関数
- MULTIPLY演算(*) – Excelの通常の掛け算演算子
8. まとめ
PRODUCT関数は、複数の数値を一度に掛け合わせる処理を簡潔に記述できる便利な関数です。
特に長い掛け算や複数範囲を対象にする場合に、可読性と正確性が向上します。
ゼロの影響や範囲指定に注意しながら使いましょう。
9. 対応バージョン
PRODUCT関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365やExcel Onlineでも利用できます。