PROB関数 – 確率分布に基づいて特定の範囲の確率を求める関数
1. 使い方と活用例
PROB関数は、確率分布に基づき、指定した範囲の数値が発生する確率を求める関数です。
統計的な分析において、離散的なデータとそれに対応する確率がある場合に、特定の範囲内の合計確率を算出できます。
主に品質管理、リスク分析、意思決定分析などで使用されます。
2. 基本の書式
=PROB(x_range, prob_range, lower_limit, [upper_limit])
3. 引数の説明
- x_range – 確率が割り当てられている数値(事象)の配列またはセル範囲を指定します。
- prob_range –
x_range
に対応する各値の確率の配列またはセル範囲を指定します。確率の合計は1でなければなりません。 - lower_limit – 確率を求めたい数値範囲の下限値を指定します。
- upper_limit(省略可能)– 確率を求めたい数値範囲の上限値を指定します。省略した場合は、
lower_limit
に一致する値の確率のみが返されます。
4. 使用シーン
- ある得点が出る確率や、得点が一定範囲内に収まる確率を算出したい場合
- 品質検査において、異常が出る確率の範囲を評価する場合
- リスク分析や意思決定における確率シミュレーション
5. 応用のポイント
x_range
と prob_range
は同じサイズでなければなりません。
確率の合計が1になっていない場合、エラーが返されます。
また、upper_limit
を省略すると、1つの値に対応する確率のみが返される点に注意してください。
6. 具体例とその解説
=PROB(A2:A6, B2:B6, 70, 90)
この例では、A2:A6 に数値(例:得点)、B2:B6 にそれぞれの数値に対応する確率が入力されているとします。
この関数は、得点が70以上90以下となる確率を合計して返します。
たとえば、70、80、90の得点に対応する確率がそれぞれ0.1、0.2、0.15の場合、返される結果は0.45となります。
=PROB(A2:A6, B2:B6, 80)
この例では、得点がちょうど80である確率のみを返します。
範囲を指定せず、単一の事象の確率を確認したいときに使用できます。
7. 関連関数の紹介
- NORM.DIST関数 – 正規分布に基づく確率を計算する関数
- BINOM.DIST関数 – 二項分布に基づく確率を求める関数
- POISSON.DIST関数 – ポアソン分布の確率を求める関数
- HYPGEOM.DIST関数 – 超幾何分布の確率を求める関数
8. まとめ
PROB関数は、確率付きのデータから、特定範囲の確率を合計して計算する非常に有用な統計関数です。
データに明確な事象と確率の対応関係があるとき、範囲の確率を簡単に求められるため、リスク管理や品質評価などに幅広く活用できます。
9. 対応バージョン
PROB関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365やExcel Onlineでも利用できます。