PRICE関数 – 財務

PRICE関数 – 債券の価格を計算する関数


1. 使い方と活用例

PRICE関数は、定期的な利払いが行われる債券の現在価値(価格)を計算するための関数です。
償還日、利率、利回りなどを基に、額面100単位あたりの現在価格を求めることができます。
投資判断やポートフォリオ分析、財務モデリングなどで幅広く使用されます。

2. 基本の書式

=PRICE(発行日, 償還日, 利率, 利回り, 償還価額, 頻度, 基準)

3. 引数の説明

  • 発行日 – 債券の発行日または利息計算の開始日を指定します。
  • 償還日 – 債券の満期日(元本が返済される日)を指定します。
  • 利率 – 年間の名目利率(クーポンレート)を指定します(例:6%なら0.06)。
  • 利回り – 債券の市場利回りを指定します(例:7.5%なら0.075)。
  • 償還価額 – 償還時に受け取る額面金額(通常は100)を指定します。
  • 頻度 – 利払いの頻度を指定します。
    • 1 = 年1回
    • 2 = 年2回
    • 4 = 年4回
  • 基準 – 日数計算の基準(カウント方式)を指定します。
    • 0 = 米国 (NASD) 方式 30/360
    • 1 = 実際/実際
    • 2 = 実際/360
    • 3 = 実際/365
    • 4 = ヨーロピアン 30/360

4. 使用シーン

  • 利回りや市場利率の変動を踏まえて債券の現在価値を評価したいとき
  • 投資判断やポートフォリオ構築の際の価格計算
  • 会計・財務報告における債券の評価

5. 応用のポイント

PRICE関数は日付の入力形式に注意が必要です。
日付はDATE関数やシリアル値、またはダブルクォーテーションで囲った日付文字列(”2025/4/1″など)として正しく入力する必要があります。
また、利率や利回りは小数形式で入力します。

6. 具体例とその解説

=PRICE(DATE(2024,1,1), DATE(2029,1,1), 0.05, 0.06, 100, 2, 0)

この式は、2024年1月1日発行、2029年1月1日償還の年5%利率の債券について、
市場利回りが6%、年2回の利払いで、償還価額100、日数計算が30/360方式の場合の現在価格を求めます。
この場合、価格は100未満となり、利回りが利率より高いため債券は割引価格で取引されることを意味します。

7. 関連関数の紹介

8. まとめ

PRICE関数は、債券の市場価格を計算するための強力な関数です。
特に債券投資の評価や財務分析で重要な役割を果たします。
利払い頻度や日数計算方式を正しく設定することが正確な価格算出には不可欠です。

9. 対応バージョン

PRICE関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365やExcel Onlineでも利用できます。