POISSON関数 – ポアソン分布の確率を求める関数
1. 使い方と活用例
POISSON関数は、一定の時間・空間内に発生する事象の数が、ポアソン分布に従うと仮定したとき、
特定の発生回数が観測される確率、またはそれ以下の確率(累積確率)を求める関数です。
交通量、故障率、コールセンターの着信数など、稀な事象の発生確率を評価するのに適しています。
Excel 2010以降では、後継関数として POISSON.DIST関数 が推奨されています。
2. 基本の書式
=POISSON(x, 平均, 累積)
3. 引数の説明
- x – 確率を求めたい発生回数(0 以上の整数)を指定します。
- 平均 – 一定期間内の平均発生回数を指定します。
- 累積 – TRUE または FALSE を指定します。
- TRUE:x 以下の累積確率を返す
- FALSE:x における確率質量関数の値(ちょうど x 回発生する確率)を返す
4. 使用シーン
- 1時間に平均10件の電話がかかってくるコールセンターで、15件以上来る確率を調べる
- 製造ラインで、1日に平均3個の不良品が発生する場合の、不良品が5個出る確率を求める
- 交通事故や自然災害など、突発的で希少な事象の発生分析
5. 応用のポイント
POISSON関数は、ポアソン分布の公式に基づいて値を返します。
現在は後継関数である POISSON.DIST が使用推奨であり、将来的な互換性を考慮して切り替えが望まれます。
引数の「x」には小数を指定すると、自動的に切り捨てられます。
6. 具体例とその解説
=POISSON(3, 2.5, FALSE)
この式は、平均2.5回の発生において、ちょうど3回発生する確率を求めます。
結果は約0.2138となります。
=POISSON(5, 4, TRUE)
この式は、平均4回の発生において、5回以下の確率(累積確率)を求めます。
結果は約0.7851となります。
7. 関連関数の紹介
- POISSON.DIST関数 – POISSON関数の後継。TRUE/FALSEで累積・非累積の指定が可能
- BINOM.DIST関数 – 二項分布に基づく確率を求める関数
- NORM.DIST関数 – 正規分布に基づく確率を求める関数
- EXPON.DIST関数 – 指数分布(ポアソン過程の時間間隔)の確率を求める関数
- AVERAGE関数 – 平均値を求める関数。ポアソン分布では重要なパラメータ
8. まとめ
POISSON関数は、希少事象が一定間隔で発生する確率を評価するために用いられる統計関数です。
Excel 2010以降では非推奨となっており、後継のPOISSON.DIST関数の使用が推奨されます。
特に、品質管理や事故リスク評価などにおいて強力なツールとなります。
9. 対応バージョン
POISSON関数は、Excel 2007以前から使用可能です。
Excel 2010以降でも利用できますが、非推奨関数であり、POISSON.DIST関数の使用が推奨されています。
Microsoft 365やExcel Onlineでも互換性のために引き続き使用可能です。