PEARSON関数 – 2つのデータ系列のピアソンの積率相関係数を求める関数
1. 使い方と活用例
PEARSON関数は、2つのデータセットの間にどの程度の線形相関があるかを示すピアソンの積率相関係数(Pearson’s r)を求める関数です。
相関係数は -1〜+1 の範囲で返され、+1 に近いほど正の相関、-1 に近いほど負の相関、0 に近いほど無相関であることを示します。
統計解析、回帰分析、品質管理などでよく使用されます。
2. 基本の書式
=PEARSON(array1, array2)
3. 引数の説明
- array1 – 必須。相関を調べたい最初のデータ系列。
- array2 – 必須。比較するもう一方のデータ系列。
4. 使用シーン
- 売上と広告費の相関関係を数値で示したいとき。
- 生徒の学力と出席率に関係性があるかを検証したいとき。
- 製造ラインでの測定データに傾向があるかを確認したいとき。
5. 応用のポイント
相関係数の解釈例:
+1 = 完全な正の相関、-1 = 完全な負の相関、0 = 無相関。
PEARSON関数はデータ数が一致していない場合や非数値データが含まれているとエラーになります。
より柔軟な統計分析には CORREL関数(機能は同等)も使えます。
6. 具体例とその解説
次のデータが A1:A5 と B1:B5 にあるとします。
A列(広告費):100, 200, 300, 400, 500
B列(売上):150, 250, 350, 450, 550
これらの相関係数を求めるには、以下のように入力します。
=PEARSON(A1:A5, B1:B5)
この場合、返される値は 1
になります。完全な正の相関があることを示します。
7. 関連関数の紹介
- CORREL関数 – PEARSON関数と同等の機能を持つ相関係数関数。
- COVARIANCE.P関数 – 母集団に基づく共分散を求める関数。
- COVARIANCE.S関数 – 標本に基づく共分散を求める関数。
- SLOPE関数 – 回帰直線の傾きを求める関数。
- INTERCEPT関数 – 回帰直線の切片を求める関数。
8. まとめ
PEARSON関数は、2つの数値データ間にどの程度の直線的な関係があるかを評価するために便利な関数です。
データの傾向を把握したり、因果関係を検討するための第一歩として有効です。
CORREL関数との違いはほぼないため、好みに応じて使い分けできます。
9. 対応バージョン
PEARSON関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel Onlineでも利用できます。