NORMINV関数 – 正規分布におけるパーセンタイル値を返す関数
1. 使い方と活用例
NORMINV関数は、指定した累積確率に対応する正規分布の値（x）を求める旧関数です。
平均と標準偏差を指定し、「その確率以下となる値はいくつか？」という逆正規分布計算に利用されます。
現在は NORM.INV関数 の使用が推奨されています。
2. 基本の書式
=NORMINV(確率, 平均, 標準偏差)3. 引数の説明
- 確率 – 累積分布関数における確率（0〜1 の間の数値）。
- 平均 – 対象となる正規分布の平均（μ）。
- 標準偏差 – 対象となる正規分布の標準偏差（σ）。
4. 使用シーン
- テストや品質検査などで「上位5％に入る点数や値」を逆算したいとき
- 統計モデリングやリスク分析で、特定の確率に対応する値を取得したいとき
- 予測レンジや信頼区間の境界値を計算したいとき
5. 応用のポイント
NORMINV関数は、正規分布の累積確率に基づいて、その確率までの範囲に属する値を逆算します。
引数の確率は 0より大きく1未満である必要があり、それ以外を指定すると #NUM! エラーになります。
Excel 2010以降では NORM.INV関数 が推奨されており、NORMINVは非推奨の旧関数です。
6. 具体例とその解説
=NORMINV(0.95, 100, 15)平均100、標準偏差15の正規分布で、上位95％までに該当する値（95パーセンタイル）を求めます。結果は 約124.67。
=NORMINV(0.5, 0, 1)標準正規分布（平均0、標準偏差1）で中央値（50％点）を求めます。結果は 0。
7. 関連関数の紹介
- NORM.INV関数 – 正規分布におけるパーセンタイル値を返す新関数（推奨）
- NORM.DIST関数 – 正規分布の累積確率または確率密度を返す関数
- STANDARDIZE関数 – z値（標準化）を求める関数
- NORM.S.INV関数 – 標準正規分布に特化した逆関数
8. まとめ
NORMINV関数は、正規分布における累積確率に対応する値を求める旧関数です。
確率から実際のデータ値を逆算できるため、予測や統計的判断に役立ちます。
ただし、現在は NORM.INV関数 の使用が推奨されており、互換性を除き非推奨です。
9. 対応バージョン
NORMINV関数は、Excel 2003〜2007で正式に使用されていました。
Excel 2010以降でも互換性のために利用可能ですが、旧関数・非推奨となっています。
以降は NORM.INV関数 を使用することが推奨されます。