NOMINAL関数 – 財務

NOMINAL関数 – 名目年利率を実効年利率から計算する関数


1. 使い方と活用例

NOMINAL関数は、実効年利率(年率換算後の複利ベースの利回り)と利息の複利回数から、名目年利率を逆算するための関数です。
通常、複利で運用される金融商品の比較や、名目ベースでの利率表示を求める場面で使用されます。
たとえば、年利5.12%(複利年4回)の実効利率から、対応する名目利率を求めることができます。

2. 基本の書式

=NOMINAL(effect_rate, npery)

3. 引数の説明

  • effect_rate – 必須。実効年利率(年ベースの複利効果を含んだ利率)を指定します。
  • npery – 必須。1年あたりの複利の回数(例:年4回の場合は4)を指定します。

4. 使用シーン

  • 実効利率を提示されている金融商品の名目利率を逆算したいとき。
  • 定期預金や債券などで、複利回数が異なる商品間の比較を行いたい場合。
  • 金融機関の提示する実質利回りから、表記上の年率を求めたいとき。

5. 応用のポイント

実効年利率は複利効果を含むため、名目年利率よりわずかに高くなります。
NOMINAL関数はその逆計算を行うため、複利回数(npery)に注意して使用してください。
実効利率(effect_rate)が負の値や0の場合はエラーになります。

6. 具体例とその解説

実効年利率が5.12%(=0.0512)で、年4回の複利で運用されていると仮定します。
このときの名目年利率を求めるには、次のように入力します。

=NOMINAL(0.0512, 4)

この結果は 0.05(5%)となります。
つまり、実効年利率5.12%は、年4回の複利で運用される名目年利率5%に相当することになります。

7. 関連関数の紹介

  • EFFECT関数 – 名目年利率から実効年利率を求める関数(NOMINAL関数の逆)。
  • RATE関数 – 複利における実質利率(利回り)を計算する関数。
  • FV関数 – 将来価値を求める関数(利率を活用)。
  • PV関数 – 現在価値を求める関数。
  • NPER関数 – 支払い回数を計算する関数。

8. まとめ

NOMINAL関数は、複利計算が前提の金融商品において、実効利率から名目利率を導き出す際に便利な関数です。
EFFECT関数とセットで使用することで、名目と実効の利率を相互に変換しながら、正確な金融評価が可能になります。
利率の比較や利息の算定において、重要な基礎関数のひとつです。

9. 対応バージョン

NOMINAL関数は、Excel 2007以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Microsoft 365、Excel Online でも問題なく利用できます。