MROUND関数 – 指定した基準値の倍数に数値を丸める関数
1. 使い方と活用例
MROUND関数は、指定した数値を、指定した基準値の最も近い倍数に丸める関数です。
たとえば、数値を5円単位や100単位での端数処理、最寄りの時間間隔に丸めたい場合などに利用されます。
2. 基本の書式
=MROUND(number, multiple)
3. 引数の説明
- number – 必須。丸めの対象となる数値。
- multiple – 必須。丸める基準となる倍数。
4. 使用シーン
- 価格を10円単位や100円単位に丸めて表示したい場合。
- 時間を15分単位、30分単位に調整したい場合(たとえば7:43を7:45に丸めるなど)。
- 製造や物流などで、数量を一定単位で調整する必要がある場合。
5. 応用のポイント
MROUND関数は、四捨五入のように、numberに最も近いmultipleの倍数に丸めます。
numberとmultipleが同じ符号(両方正または負)でない場合はエラー(#NUM!)となる点に注意が必要です。
同様の関数に、切り上げのCEILING関数、切り捨てのFLOOR関数などがあります。
6. 具体例とその解説
次の式は、123を10の倍数に丸めます。
=MROUND(123, 10)
結果は「120」になります(123に最も近い10の倍数)。
同様に、126なら「130」になります。
次の例では、7:43(=TIME(7,43,0))を15分単位に丸めます。
=MROUND(TIME(7,43,0), TIME(0,15,0))
この式は、7:43を最も近い15分単位(7:45)に丸めます。
7. 関連関数の紹介
- ROUND関数 – 指定した桁数で四捨五入する関数
- CEILING関数 – 指定した基準値の倍数に切り上げる関数
- FLOOR関数 – 指定した基準値の倍数に切り捨てる関数
- ROUNDUP関数 – 常に切り上げて丸める関数
- ROUNDDOWN関数 – 常に切り捨てて丸める関数
8. まとめ
MROUND関数は、金額や時間などのデータを「指定した単位で」自然に丸めたい場合に便利な関数です。
四捨五入のように、基準に最も近い値へ調整されるため、現場のルールに沿った数値処理が可能です。
符号の扱いに注意しつつ、他の丸め関数との違いを理解して使い分けましょう。
9. 対応バージョン
Excel 2007以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは Analysis ToolPak アドインの有効化が必要です。