MOD関数 – 割り算の余り(剰余)を返す関数
1. 使い方と活用例
MOD関数は、指定した数値を除数で割った際の余り(剰余)を返す関数です。
特定の間隔での処理や繰り返し、偶数・奇数の判定、周期的な動作などに活用されます。
整数だけでなく、小数や負の数にも対応しています。
2. 基本の書式
=MOD(number, divisor)
3. 引数の説明
- number – 必須。除算の対象となる数値(被除数)。
- divisor – 必須。割る数(除数)。0を指定するとエラーになります。
4. 使用シーン
- 行番号に応じて色分けやグルーピング(例:3行ごとに処理)を行う場合。
- 奇数・偶数の判定(MOD(A1,2)で0なら偶数、1なら奇数)。
- 周期的なスケジュールや番号割り当てなど、ループ処理が必要なケース。
5. 応用のポイント
MOD関数の結果は、常に除数と同じ符号になります。
つまり、負の数を扱う場合でも、結果は正の剰余として返されます(数学的なmodとは異なる仕様に注意)。
除数に0を指定すると#DIV/0!
エラーとなるため、事前チェックが必要です。
6. 具体例とその解説
次の数式では、10を3で割った余りを求めます。
=MOD(10, 3)
結果は「1」となります。これは 10 ÷ 3 = 3余り1 の「1」に該当します。
次に、-10を3で割った場合:
=MOD(-10, 3)
結果は「2」となります。ExcelのMOD関数では、除数と同じ符号の余りが返されるためです。
7. 関連関数の紹介
- QUOTIENT関数 – 割り算の商(整数部)を返す関数
- INT関数 – 小数点以下を切り捨てて整数にする関数(負数の扱いに注意)
- ROUND関数 – 四捨五入で数値を丸める関数
- ISEVEN関数 – 値が偶数かどうかを判定する関数
- ISODD関数 – 値が奇数かどうかを判定する関数
8. まとめ
MOD関数は、割り算の余りを取得する基本的で汎用的な関数です。
繰り返し処理やグループ分け、条件分岐において非常に役立ちます。
負の数の扱いと除数が0になるケースに注意しつつ、他の数値関数と併用することでより柔軟な数式が構築できます。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel Online でも問題なく利用できます。