MAXIFS関数 – 条件を満たすセルの中で最大値を返す関数
1. 使い方と活用例
MAXIFS関数は、指定した複数の条件に一致するセルの中から、最大値を返す関数です。
従来は配列数式やIF関数との組み合わせで実現していた処理を、シンプルな構文で行うことができます。
条件付きのデータ分析やランキング評価などに便利です。
2. 基本の書式
=MAXIFS(max_range, criteria_range1, criteria1, [criteria_range2], [criteria2], ...)
3. 引数の説明
- max_range – 必須。最大値を求める対象となるセル範囲。
- criteria_range1 – 必須。条件を適用する最初のセル範囲。
- criteria1 – 必須。criteria_range1 に適用する条件。
- criteria_range2~criteriaN – 省略可能。追加の条件範囲。
- criteria2~criteriaN – 省略可能。各条件に対応する条件値。
4. 使用シーン
- 「特定の支店」で「売上が最大」のデータを求めたいとき。
- 「男性のみ」の中で「年齢が最大」の人物を抽出したいとき。
- カテゴリ別に最大値をフィルタリングしたいとき。
5. 応用のポイント
複数条件にも対応しており、最大127ペアまで指定可能です。
条件にはワイルドカード(* や ?)や比較演算子(”>100″ など)も使用できます。
空白セルや非数値が含まれる場合、計算対象外になります。
同様に条件付きの最小値を求めたい場合は MINIFS
関数を使用します。
6. 具体例とその解説
以下のようなデータがあるとします:
列A:支店名(東京、大阪、名古屋)
列B:売上
東京支店の売上のうち、最大値を求めたい場合は次のように入力します。
=MAXIFS(B2:B10, A2:A10, "東京")
この式は、A列が「東京」と一致する行の中で、B列の最大値を返します。
7. 関連関数の紹介
- MINIFS関数 – 条件に一致するセルの最小値を返す関数。
- MAX関数 – 範囲内の最大値を返す関数(条件なし)。
- IF関数 – 条件に応じた処理を行う基本関数。
- FILTER関数 – 条件に一致するデータを抽出する動的配列関数。
- AGGREGATE関数 – 集計を柔軟に行う高度な関数。
8. まとめ
MAXIFS関数は、条件を指定してその中から最大値を取得できる非常に便利な集計関数です。
以前は複雑だった条件付き最大値の取得が、簡単な構文で記述できるようになり、業務の効率化に役立ちます。
データ分析、営業成績の抽出、統計処理など幅広い場面で活用可能です。
9. 対応バージョン
MAXIFS関数は、Excel 2019以降および Microsoft 365、Excel Online で使用可能です。
Excel 2016以前のバージョンでは使用できません。