LOOKUP関数 – 範囲内の値を検索して対応する値を返す関数
1. 使い方と活用例
LOOKUP関数は、指定した検索値に最も近い値を検索範囲から探し出し、それに対応する別の範囲の値を返す関数です。
検索範囲は昇順に並んでいる必要があります。
LOOKUP関数には2つの形式(ベクトル形式と配列形式)があり、特にベクトル形式が一般的に使用されます。
2. 基本の書式
=LOOKUP(検索値, 検索範囲, 結果範囲)
3. 引数の説明
- 検索値 – 探したい値を指定します。
- 検索範囲 – 検索する値が格納されているセル範囲で、昇順に並んでいる必要があります。
- 結果範囲 – 検索範囲内で見つかった値に対応する結果を返す範囲です。
4. 使用シーン
- 点数に応じた評価(例:80点以上なら「A」など)を返すとき
- 金額に応じた割引率など、段階的な基準に基づいて値を返すとき
- 昇順に並んだ表から、該当データを簡易的に検索したいとき
5. 応用のポイント
LOOKUP関数は、検索範囲が昇順に並んでいることが前提であり、完全一致でなくても、最も近い小さい値を返すという特徴があります。
これにより、段階的な評価や区間に応じた処理に適しています。
ただし、より柔軟な検索や精度が求められる場合には、VLOOKUP関数やXLOOKUP関数の使用が推奨されます。
6. 具体例とその解説
以下のような範囲があるとします:
A列(点数) B列(評価)
0 F
60 D
70 C
80 B
90 A
=LOOKUP(75, A2:A6, B2:B6)
この式では、「75点」は「70点以上80点未満」に該当するため、「C」が返されます。
完全一致でなくても、75未満で最大の値(70)に対応する評価が返されるため、段階的評価に便利です。
7. 関連関数の紹介
- VLOOKUP関数 – 縦方向の検索を行う関数(検索値の列は左端)
- HLOOKUP関数 – 横方向の検索を行う関数
- XLOOKUP関数 – 柔軟かつ強力な新しい検索関数
- INDEX関数 – 指定した位置の値を返す関数
- MATCH関数 – 検索値の位置を返す関数(INDEX関数と組み合わせると強力)
8. まとめ
LOOKUP関数は、シンプルな検索と対応値の取得に適した関数です。
検索対象が昇順であれば、段階評価や範囲分類などで非常に便利に使えます。
ただし、柔軟性や検索精度の面では他の関数の方が優れているため、用途に応じた使い分けが重要です。
9. 対応バージョン
LOOKUP関数は、Excelのすべての主要バージョン(Excel 2003以降)で使用可能です。
古くからある標準的な関数であり、互換性にも優れています。