LN関数 – 自然対数(底がeの対数)を求める関数
1. 使い方と活用例
LN関数は、指定した数値の自然対数(ネイピア数e ≒ 2.71828 を底とする対数)を求める関数です。
対数変換や指数関数の逆計算、指数的成長モデルの分析など、統計学や金融、工学の分野で頻繁に使われます。
2. 基本の書式
=LN(number)
3. 引数の説明
- number – 必須。自然対数を求めたい正の数値(0以下はエラー)。
4. 使用シーン
- 指数関数(e^x)の逆演算をしたいとき。
- データの対数変換による正規化や回帰分析を行いたいとき。
- 複利運用や人口成長などの「指数モデル」の解析において時間を求めたいとき。
5. 応用のポイント
LN関数の計算結果は、「e^x = number
を満たす x
」を返します。
例えば、=LN(2.71828)
の結果はほぼ 1
になります。
10を底とした常用対数を求めたい場合は LOG関数
、任意の底を使いたい場合は LOG(number, base)
を使います。
6. 具体例とその解説
例1:eの自然対数を求める
=LN(EXP(1))
この式は e の自然対数を求めるため、結果は 1
になります。
例2:1000の自然対数を求める
=LN(1000)
この結果は約 6.90776
になります。
これは、e^6.90776 ≒ 1000
であることを意味します。
7. 関連関数の紹介
- EXP関数 – 指定された数値のeのべき乗を返す関数。
- LOG関数 – 常用対数や任意の底による対数を計算する関数。
- LOG10関数 – 底が10の対数(常用対数)を計算する関数。
- POWER関数 – 指数計算(xのy乗)を行う関数。
- LN関数 – 自然対数(eを底とする)を計算。
8. まとめ
LN関数は、数学的・統計的な解析において基本となる「自然対数」を求めるシンプルで重要な関数です。
EXP関数とペアで理解しておくことで、指数関数や対数変換を含む分析をスムーズに行えます。
複利・成長・対数正規分布など、さまざまなシナリオで活用できます。
9. 対応バージョン
LN関数は、すべてのExcelバージョン(Excel 2003以降)で使用可能です。
Microsoft 365、Excel Onlineでも利用できます。