LCM関数 – 指定した数値の最小公倍数を求める関数
1. 使い方と活用例
LCM関数は、2つ以上の整数の最小公倍数(Least Common Multiple)を求めるための関数です。
複数のサイクルや繰り返しの周期を一つにまとめたいときに便利で、時間管理や工業工程、数学的計算などに活用されます。
2. 基本の書式
=LCM(number1, [number2], ...)
3. 引数の説明
- number1 – 最小公倍数を求める最初の正の整数。
- [number2], … – (省略可能)最小公倍数を求める追加の正の整数。最大255個まで指定可能です。
4. 使用シーン
- 異なる周期で作業が発生する工程を1つの周期に統一したいとき
- 異なる分数の最小公倍数を使って通分したいとき
- スケジュールやタイミングを合わせる必要があるタスクの管理
5. 応用のポイント
LCM関数を使えば、複数の数値の周期を統合する処理が簡単に行えます。
GCD関数(最大公約数)と組み合わせることで、数値の比率や分割の管理にも活用できます。
引数に0を含めると常に0が返るため、0を含まないよう注意が必要です。
6. 具体例とその解説
=LCM(4, 6)
この式は、4と6の最小公倍数を求めます。
結果は12で、4と6の両方で割り切れる最小の共通倍数です。
=LCM(3, 5, 10)
この式では、3つの整数の最小公倍数を求めています。
結果は30となり、3、5、10すべてを割り切れる最小の数です。
7. 関連関数の紹介
- GCD関数 – 指定した数値の最大公約数を求める関数
- MOD関数 – 除算の余りを求める関数で、公倍数や公約数のチェックに活用可能
- QUOTIENT関数 – 商だけを求める関数で、整数計算に役立ちます
8. まとめ
LCM関数は、複数の数値の最小公倍数を簡単に求められる便利な関数です。
繰り返しのスケジュール調整や、分数計算、工業プロセスの最適化など、さまざまな分野で活用されています。
数値はすべて正の整数である必要があるため、入力値には注意が必要です。
9. 対応バージョン
Excel 2007以降で使用可能です。
それ以前のバージョンでは使用できません。