ISERR関数 – エラー値のうち #N/A を除くすべてのエラーを判定する関数
1. 使い方と活用例
ISERR関数は、指定した値が#N/A を除くすべてのエラーであるかどうかを判定する関数です。
該当するエラーであれば TRUE、そうでなければ FALSE を返します。
IF関数と組み合わせることで、エラー時の代替処理を設定する際に便利です。
2. 基本の書式
=ISERR(value)3. 引数の説明
- value – 必須。エラーかどうかを調べる対象。セル参照や数式を指定。
4. 使用シーン
- 計算式が #DIV/0! や #VALUE! などのエラーになったときに、代替値を表示したい場合。
- 特定の関数が失敗した場合に、そのエラーを捕捉して処理を切り替えたいとき。
- #N/A エラーは除外し、それ以外のエラーを検知したい場面。
5. 応用のポイント
ISERR関数は、次のようなエラー値を TRUE と判定します。
#DIV/0!、#VALUE!、#REF!、#NAME?、#NUM!、#NULL!
一方で、#N/A は FALSE と判定されます。
#N/A も含めてすべてのエラーを検出したい場合は ISERROR関数 を使用します。
6. 具体例とその解説
次のように 0 で割った式に対して
=ISERR(5/0)
結果は TRUE（#DIV/0! は ISERR が検知するエラー）になります。
VLOOKUPで検索値が見つからなかった場合（#N/A）
=ISERR(VLOOKUP("X", A1:A10, 1, FALSE))
結果は FALSE になります。#N/A は ISERR では検知されません。
7. 関連関数の紹介
- ISERROR関数 – すべてのエラー（#N/A を含む）を判定する関数
- ISNA関数 – #N/A エラーかどうかを判定する関数
- IFERROR関数 – エラー時に指定の値を返す関数（すべてのエラーに対応）
- IFNA関数 – #N/A のみを対象とするエラー処理関数
- ERROR.TYPE関数 – エラーの種類を番号で返す関数
8. まとめ
ISERR関数は、#N/A を除くエラーだけを検出したいときに便利な関数です。
特定のエラーだけを回避したい処理や、#N/A を正常値とみなすような場面で特に効果を発揮します。
用途に応じて ISERROR や ISNA との使い分けが重要です。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。