INFO関数 – 使用中の環境に関する情報を取得する関数
1. 使い方と活用例
INFO関数は、Excelが動作している環境についてのシステム情報を取得する関数です。
オペレーティングシステムの種類、Excelが開いているディレクトリ、メモリ容量など、様々な技術的情報を取得できます。
システム管理、テンプレートの最適化、ユーザー環境の確認などに役立ちます。
2. 基本の書式
=INFO(type_text)
3. 引数の説明
- type_text – 必須。取得したい情報の種類を表す文字列(以下の表を参照)。
4. 使用シーン
- 使用しているOSやディレクトリパスを動的に取得したい場合。
- Excelテンプレートがどの環境で実行されているかを確認したい場合。
- システムの状態やパスをログとして記録する仕組みを作りたい場合。
5. 応用のポイント
INFO関数で使用可能な type_text
の主な値は以下の通りです。
"directory"
– 現在の作業ディレクトリのパス"numfile"
– 開いているワークシートの数"origin"
– ウィンドウ座標の原点(古いバージョン用)"osversion"
– 使用中のオペレーティングシステムのバージョン"recalc"
– 再計算モード(Automatic など)"release"
– Excelのバージョン番号"system"
– 実行中のオペレーティングシステム名(”pcdos” など)
大文字・小文字の区別はなく、どの値も文字列として指定します。
6. 具体例とその解説
Excelのバージョン情報を取得するには、次のように入力します。
=INFO("release")
たとえば「16.0」などが返されます(バージョン番号)。
現在の作業ディレクトリ(ファイルがあるフォルダ)を取得するには
=INFO("directory")
結果は例:"C:\Users\Username\Documents"
などのパスになります。
7. 関連関数の紹介
- CELL関数 – セルに関する詳細情報(ファイルパス、フォーマットなど)を返す関数
- ENVIRON関数(VBA) – システム環境変数を取得する関数(VBAで使用)
- NOW関数 – 現在の日付と時刻を返す関数(ログ取得時に併用可能)
- TEXT関数 – 情報を見やすく整形するための文字列フォーマット関数
8. まとめ
INFO関数は、Excelの実行環境やシステム状態に関する情報を簡単に取得できる関数です。
テンプレートの適応状況確認、動的なパス管理、環境情報の記録など、特定用途で非常に役立ちます。
一般的な計算では使われにくいものの、システム情報の取得には欠かせない関数です。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel Online、Excel for Mac にも対応しています(一部値はOSに依存します)。