IMTAN関数 – 複素数の正接(tan)を返す関数
1. 使い方と活用例
IMTAN関数は、指定した複素数の正接(tangent)を計算して、その結果を複素数で返す関数です。
複素数に対する三角関数演算は、電気工学や物理、数学の分野でよく使われ、IMTAN関数を使うことで複雑な計算も簡単に処理できます。
2. 基本の書式
=IMTAN(inumber)
3. 引数の説明
- inumber – 必須。正接を求める複素数。
文字列形式(例:”1+2i”、”3-4j”、”2″)で指定。
4. 使用シーン
- 複素インピーダンスの正接(tan)成分を解析したい場合。
- 複素三角関数を扱う数式モデルの構築。
- フーリエ解析や波動関数の計算における複素数処理。
5. 応用のポイント
IMTAN関数は、sin(z) ÷ cos(z)
の定義に基づき、複素数に対する正接(tan)を複素数として返します。
Excel では複素数を必ず文字列で指定し、”i” または “j” を虚数単位として使用します。
実数でも使用可能で、その場合は通常の TAN 関数と同じ結果が返されますが、常に複素形式で出力されます。
6. 具体例とその解説
複素数 "1+i"
の正接を求めるには、以下の式を使用します。
=IMTAN("1+i")
結果は 0.271752585319512+1.08392332733869i
という複素数になります。
これは tan(1+i)
の計算結果です。
7. 関連関数の紹介
- IMSIN関数 – 複素数の正弦(sin)を返す関数
- IMCOS関数 – 複素数の余弦(cos)を返す関数
- IMCOT関数 – 複素数の余接(cot = 1/tan)を返す関数
- IMCSC関数 – 複素数の余割(csc = 1/sin)を返す関数
- IMSEC関数 – 複素数の正割(sec = 1/cos)を返す関数
8. まとめ
IMTAN関数は、複素数に対する三角関数の一つ「正接(tan)」を計算するための関数です。
複素関数を用いる理論的・工学的な分野で有効に機能し、他の複素三角関数と組み合わせて複雑な式の展開や検証が可能になります。
9. 対応バージョン
Excel 2013以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。