IMLOG2関数 – 複素数の底2の対数(log₂)を求める関数
1. 使い方と活用例
IMLOG2関数は、指定した複素数の底2の対数(log₂)を計算し、複素数形式で返す関数です。
底2の対数は、情報理論(ビット単位)やコンピュータ処理、指数スケーリングの変換などでよく使われます。
複素数に対しても同様の演算を行うことで、数学・工学・信号解析分野に応用できます。
2. 基本の書式
=IMLOG2(inumber)
3. 引数の説明
- inumber – 必須。底2の対数を求める複素数。
文字列形式(例:”1+2i”、”4″、”0-1j” など)で指定。
4. 使用シーン
- ビット情報量などの2進数ベースでのスケーリングや変換。
- 複素数の位相と大きさを底2でスケール変換したい場合。
- 情報理論や量子計算の理論モデルで複素対数を使いたい場面。
5. 応用のポイント
IMLOG2関数は、複素数 z に対して次の計算を行います。
log₂(z) = ln(z) / ln(2)
つまり、IMLN関数の結果を ln(2) ≈ 0.693147 で割った値を返します。
計算結果は必ず複素数形式(”a+bi” または “a+bj”)の文字列で返されます。
6. 具体例とその解説
複素数 "1+i"
の底2の対数を求める例
=IMLOG2("1+i")
結果は 0.499999999999999+1.1330900354568i
となります。これは log₂(1+i) の主値を表しています。
実数を与えることもできます。
たとえば
=IMLOG2("8")
結果は 3+0i
となり、log₂(8) = 3 を示しています。
7. 関連関数の紹介
- IMLN関数 – 複素数の自然対数(ln)を求める関数
- IMLOG10関数 – 複素数の常用対数(log₁₀)を求める関数
- IMEXP関数 – 複素数の指数関数(e^z)を返す関数
- IMPOWER関数 – 複素数のべき乗(z^n)を計算する関数
- IMARGUMENT関数 – 複素数の偏角(arg z)を返す関数
8. まとめ
IMLOG2関数は、複素数の底2対数を計算する特殊な数学関数であり、情報理論や信号処理、指数スケーリングに特化した用途に最適です。
他の対数系複素関数(IMLN、IMLOG10)と適切に使い分けることで、より柔軟な数値解析が可能になります。
9. 対応バージョン
Excel 2013以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。