IMLOG10関数 – 複素数の常用対数(底10の対数)を求める関数
1. 使い方と活用例
IMLOG10関数は、指定した複素数の常用対数(log₁₀)を計算し、その結果を複素数として返す関数です。
通常の実数に対する log₁₀ と同様に、複素数のスケーリングや桁数評価、信号処理におけるdB変換などの場面で活用できます。
2. 基本の書式
=IMLOG10(inumber)
3. 引数の説明
- inumber – 必須。常用対数を求める複素数。
文字列形式(例:”2+3i”、”1″、”0-4j” など)で指定。
4. 使用シーン
- 複素インピーダンスや振幅成分の対数的評価を行いたい場合。
- デシベル計算など、常用対数ベースのスケール変換において複素数を扱う場合。
- 複素対数を使った周波数解析や波動関数の変形を行いたい場合。
5. 応用のポイント
IMLOG10関数は、複素数 z に対して次のように計算されます。
log₁₀(z) = ln(z) / ln(10)
つまり、IMLN関数の結果を ln(10) ≈ 2.302585 によってスケーリングしたものです。
結果は常に複素数形式(”a+bi” または “a+bj”)の文字列で返されます。
6. 具体例とその解説
複素数 "1+i"
の常用対数を求めるには次のようにします。
=IMLOG10("1+i")
結果は 0.150514997831991+0.34109408846046i
になります。これは log₁₀(1+i) の複素数解です。
実数を指定した場合も使用可能です。
たとえば
=IMLOG10("100")
結果は 2+0i
となり、log₁₀(100) = 2 を意味します。
7. 関連関数の紹介
- IMLN関数 – 複素数の自然対数(ln)を求める関数
- IMLOG2関数 – 複素数の底2の対数を求める関数
- IMEXP関数 – 複素数の指数関数(e^z)を求める関数
- IMPOWER関数 – 複素数のべき乗を求める関数
- IMABS関数 – 複素数の絶対値(モジュラス)を返す関数
8. まとめ
IMLOG10関数は、複素数に対する常用対数を計算するための関数であり、dB変換やスケーリング、複素数解析の分野で広く応用されます。
IMLN関数との違いを理解し、用途に応じた底の選択が重要です。
9. 対応バージョン
Excel 2013以降のすべてのバージョンで使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。