IMEXP関数 – エンジニアリング

IMEXP関数 – 複素数の指数関数(e の z 乗)を返す関数


1. 使い方と活用例

IMEXP関数は、指定した複素数 z に対して指数関数 e^z を計算し、その結果を複素数として返す関数です。
複素指数関数は、オイラーの公式や極形式への変換、信号解析や波動関数の計算などで非常に重要な役割を果たします。

2. 基本の書式

=IMEXP(inumber)

3. 引数の説明

  • inumber – 必須。指数計算の対象となる複素数。
    文字列形式(例:”1+2i”、”0-πj”、”3″ など)で指定。

4. 使用シーン

  • オイラーの公式 e^(ix) = cos(x) + i·sin(x) を用いた波動関数や交流信号の表現。
  • 極形式での複素数演算。
  • 複素領域における指数的成長や減衰のモデリング。

5. 応用のポイント

IMEXP関数は、実数・虚数を含む複素数に対応しており、e の z 乗を複素数形式(a + bi)で返します。
純虚数(例:”0+πi”)を与えた場合には、オイラーの公式に基づいた複素数の回転を示す結果になります。
結果は常に文字列形式の複素数(”a+bi” または “a+bj”)として出力されます。

6. 具体例とその解説

複素数 "1+i" に対して指数関数を計算する場合:

=IMEXP("1+i")

結果は 1.46869393991589+2.28735528717884i になります。これは e^(1+i) の複素数結果です。

オイラーの公式の確認例(e^(iπ) = -1):

=IMEXP("0+3.14159265358979i")

結果はおよそ -1+1.22464679914735E-16i(実質的に -1)になります。

7. 関連関数の紹介

  • IMLN関数 – 複素数の自然対数(ln)を求める関数
  • IMPOWER関数 – 複素数のべき乗(z^n)を返す関数
  • IMSIN関数 – 複素数の正弦を返す関数(指数関数表現と関係あり)
  • IMCOS関数 – 複素数の余弦を返す関数
  • COMPLEX関数 – 実部と虚部から複素数を作成する関数

8. まとめ

IMEXP関数は、複素数の指数関数 e^z を計算する高度な数学関数です。
オイラーの公式や波動解析、指数成長・減衰を含む数理モデルなど、応用範囲が非常に広く、理論と実務の両面で活躍します。

9. 対応バージョン

Excel 2003以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。