IMCOSH関数 – 複素数の双曲線余弦(cosh)を返す関数
1. 使い方と活用例
IMCOSH関数は、指定した複素数の双曲線余弦(cosh)の値を複素数として返す関数です。
双曲線関数は、指数関数に基づく関数で、電気工学や物理学、数値解析などの分野で使用されます。
複素数に対する双曲線余弦の計算は、複素指数関数の性質に基づいて行われます。
2. 基本の書式
=IMCOSH(inumber)
3. 引数の説明
- inumber – 必須。双曲線余弦を求める対象の複素数。
文字列形式で指定(例:”1+2i”、”3″、”4i” など)。
4. 使用シーン
- 複素数を用いた物理モデル(例:波動方程式や熱伝導方程式)において双曲線関数を利用する場合。
- 信号処理・電磁場理論・制御理論における複素双曲線関数の解析。
- 複素数演算において、cosh(z) の性質を利用した変換を行いたい場合。
5. 応用のポイント
IMCOSH関数は、以下の式に基づいて計算されます
cosh(z) = (e^z + e^(-z)) / 2
入力は必ず文字列形式で指定し、Excelの複素数認識に対応した形式(”a+bi” または “a+bj”)を使用する必要があります。
虚数単位には “i” または “j” のどちらでも対応しています。
6. 具体例とその解説
複素数 "1+i"
の双曲線余弦を求めたい場合:
=IMCOSH("1+i")
この式の結果はおよそ 0.833730025+0.988897706i
になります。
これは、cosh(1 + i) の複素数としての結果です。
実数の入力も可能であり、=IMCOSH("2")
は通常の cosh(2) の値(実数)を返します。
7. 関連関数の紹介
- IMCOS関数 – 複素数の通常の余弦(cos)を返す関数
- IMSINH関数 – 複素数の双曲線正弦(sinh)を返す関数
- IMCOT関数 – 複素数の余接(cot)を返す関数
- IMEXP関数 – 複素数の指数関数 e^z を返す関数
- COMPLEX関数 – 実部と虚部から複素数を生成する関数
8. まとめ
IMCOSH関数は、複素数に対する双曲線余弦(cosh)を求めるための高度な数式関数です。
工学・物理・数学分野で必要とされる複素関数の演算を、Excel上で簡単に行えるように設計されています。
他の複素関数と併用すれば、より複雑なモデル計算にも対応できます。
9. 対応バージョン
Excel 2013以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。