IMCONJUGATE関数 – 複素数の共役(共役複素数)を返す関数
1. 使い方と活用例
IMCONJUGATE関数は、指定した複素数の共役複素数(conjugate)を返す関数です。
複素数における共役とは、虚数部の符号を反転させたものを指し、数学・工学・物理分野でよく使われます。
2. 基本の書式
=IMCONJUGATE(inumber)
3. 引数の説明
- inumber – 必須。共役を求める複素数。
形式は文字列で、例:”3+4i”、”5-2j”、”6″(実数も可)。
4. 使用シーン
- 複素数の除算時、分母の有理化に使用したい場合。
- 電気回路や物理シミュレーションで、複素数の絶対値や位相を求める前処理として。
- 複素ベクトルの内積や、複素共役行列の計算を行いたい場合。
5. 応用のポイント
共役複素数とは、a + bi に対して a – bi を指します(a、bは実数)。
IMCONJUGATE関数は、文字列として複素数を渡す必要があります。Excelは "i"
または "j"
を虚数単位として認識します。
実数の場合は、そのまま返されます(例:”5″ → “5”)。
6. 具体例とその解説
次の式は、複素数 “3+4i” の共役複素数を求めます。
=IMCONJUGATE("3+4i")
結果は 3-4i
になります。
虚数部が負の場合でも、符号が反転します。
=IMCONJUGATE("2-5i")
結果は 2+5i
になります。
7. 関連関数の紹介
- IMREAL関数 – 複素数の実数部を返す関数
- IMAGINARY関数 – 複素数の虚数部を返す関数
- IMABS関数 – 複素数の絶対値(モジュラス)を返す関数
- IMDIV関数 – 複素数の除算を行う関数(共役と併用される)
- IMPRODUCT関数 – 複素数の積を求める関数
8. まとめ
IMCONJUGATE関数は、複素数の虚数部の符号を反転させた共役複素数を求めるための基本関数です。
複素数の除算、絶対値、内積計算など、幅広い数学的処理に不可欠な機能を簡単に実行できます。
9. 対応バージョン
Excel 2003以降で使用可能です。
Excel 365、Excel 2019、Excel Online にも対応しています。