IFS関数 – 論理

IFS関数 – 複数の条件を順に評価して結果を返す関数


1. 使い方と活用例

IFS関数は、複数の条件を上から順に評価し、最初に真(TRUE)となった条件に対応する値を返します。
IF関数の入れ子構造を使わずに、よりシンプルに複数条件の分岐処理を記述できるため、可読性が高くなります。

2. 基本の書式

=IFS(論理式1, 結果1, 論理式2, 結果2, ..., 論理式n, 結果n)

3. 引数の説明

  • 論理式1, 論理式2, …, 論理式n – 評価する条件を指定します。TRUEまたはFALSEになる式です。
  • 結果1, 結果2, …, 結果n – それぞれの論理式がTRUEになったときに返す値です。

4. 使用シーン

  • 点数に応じて評価(例:80点以上は「優」、60点以上は「良」、それ以下は「可」など)をつける場合
  • 売上や成績などの値に基づいてランクやカテゴリーを判定する場合
  • IF関数の入れ子が複雑になりすぎた処理を簡潔にしたい場合

5. 応用のポイント

IFS関数は最初にTRUEとなった条件で処理を終了するため、条件の順番が非常に重要です。
すべての条件に一致しない場合のフォールバック値を設定するには、最後に「TRUE, デフォルト値」と書くことで対応できます。
IF関数よりも読みやすく保守しやすいですが、条件が重複する場合は注意が必要です。

6. 具体例とその解説

=IFS(A1>=80, "優", A1>=60, "良", A1<60, "可")

この例では、セルA1の値に応じて評価を表示します。
A1が80以上なら「優」、60以上なら「良」、60未満なら「可」となります。
条件は上から順に評価され、最初にTRUEとなったものが採用されます。

7. 関連関数の紹介

  • IF関数 – 単一の条件に基づいて値を返す基本的な条件分岐関数
  • SWITCH関数 – 複数の値に対する結果を指定できる条件分岐関数
  • CHOOSE関数 – 指定したインデックスに対応する値を返す関数

8. まとめ

IFS関数は、複雑なIF関数の入れ子を回避できる非常に便利な関数です。
条件を上から順に評価して最初に該当した結果を返すため、処理の意図が明確になりやすくなります。
条件の順序とフォールバック処理(TRUE, デフォルト値)の記述に注意して使うことが大切です。

9. 対応バージョン

IFS関数は、Excel 2016以降およびMicrosoft 365で使用可能です。
それ以前のバージョン(Excel 2013以前)では利用できません。